マイベストプロ広島

コラム

リスケジュールからの脱却のすすめ

2017年2月9日

テーマ:銀行融資・補助金

コラムカテゴリ:ビジネス

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『リスケジュールからの脱却のすすめ』
…受け身ではなく積極的に正常化に挑戦しましょう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2008年に起きたリーマン・ショックを受け、中小企業の倒産や
破産を防ぐ目的として、2009年に中小企業金融円滑化法が実施
されました。同法に基づいて、多くの中小企業様が借入返済の
リスケジュールを実施することとなりましたが、現在までリス
ケジュールを継続している企業様も多くいらっしゃいます。

リスケジュールは、返済負担が軽減されるというメリットがあ
る一方で、リスケジュールを継続している間は、新規融資を受
けられないという大きなデメリットがあります。一度リスケジ
ュールを行うと、中々正常化できない要因はここにあると思い
ます。

経営状況が悪化した際に、取り敢えず止血をするという処置は
全く間違っていません。しかし、弱った体を回復させるために
は、エネルギーの注入が必要不可欠です。事実、リスケジュー
ルを実施した企業様は、売上高が毎期じりじりと下がっていく
傾向が見受けられます。新たな資金が入らないため、思い切っ
た投資ができないことが要因のひとつです。

もし、貴社が、「一定の割合で業績は回復したが、元の金額を
返済できるほどではないため、リスケジュールを現在も継続し
ている。」という状態ならば、リスケジュールからの脱却に挑
戦できるかもしれません。

リスケジュールから脱却する方法は、「返済を元の金額に戻す」
だけではありません。元の返済額より少ない金額でも、長期の
返済に借換えすることができれば、脱却することができます。
元の返済額が100万円で、現在は30万円の返済しかできていない
としても、仮に3,000万円の借入残高があった場合、30万円×
100回払いの借入に借換えできれば正常先となります。

ただ、「リスケジュールが継続できれば、現状の資金繰りは問
題ない。」という企業様からは、「もうこれ以上借入は増やし
たくない。」「借りることができても返済ができるか不安。」
「現状維持(リスケ状態)で構わない。」という声もございま
す。確かに、借入で苦労されたので慎重になるのは当然のこと
と思います。しかし、最も気にしていただきたいのは、何の投
資もせずに数年後も今と同じキャッシュフローを確保できるか
という点です。過去数年の決算書を並べて見て、わずかでも売
上が減少傾向にあるならば、今のうちに手を打っておくべきだ
と思います。

信用保証協会も、リスケジュールから脱却するための保証制度
を用意して、正常化を支援しようとしています。勇気を持って、
正常化にチャレンジしましょう。

この記事を書いたプロ

石田雄二

会社設立と銀行融資のプロ

石田雄二(石田雄二税理士事務所)

Share

関連するコラム

石田雄二プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ広島
  3. 広島のビジネス
  4. 広島の税務会計・財務
  5. 石田雄二
  6. コラム一覧
  7. リスケジュールからの脱却のすすめ

© My Best Pro