経営改善計画書の策定費用の3分の2を支援する補助金
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『事業計画の立て方』
…妄想の売上高を基準に投資計画を立ててはいけません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
現状よりも業績を拡大しようとする時や、何か新しい事業を始
めようとする時、3年から5年先までの事業計画を立てること
をおすすめします。但し、事業計画の立て方を間違えると、致
命的なダメージを受ける可能性があります。本日は、正しい事
業計画の立て方について解説します。
◆売上計画を最初に立ててはいけません。
計画を立てるとき、まずは売上の計画から立てる方が圧倒的に
多いのではないでしょうか。しかし、計画の中で最も思い通り
にいかないのが売上高です。思い通りにいかない売上高を基準
にした計画に取り組むのは大変危険です。
例えば、初年度で5,000万円の売上高が見込めると計画し
たとします。5,000万円売れれば、原価を2,500万円、
人件費を1,000万円、広告宣伝費を500万円かけても、
計画上は1,000万円残ります。よって、計画通りに5,000
万円の売上高を見込んだ仕入、人材雇用や広告宣伝を行うと…
費用は計画通りだが、売上高が計画通りにいかず、たちまち資
金繰りが逼迫する、という事態に陥ります。
◆投資をするからリターンがあります。
売上高は結果です。仕入、営業マンの雇用、設備の投入などが
原因となって、売上高という結果が生まれます。損益計算書は、
結果である売上高が先に来ていますので勘違いしがちですが、
実際は費用が先行し、後から売上が立ってきます。計画を立て
る際に、「リターンがこれぐらい見込めるから、これだけ投資
をしよう。」と考えるのではなく、「現実的に投資できる金額
はこれぐらいだから、リターンはこれぐらい見込めるのではな
いか。」と考える方が現実的です。「投資をするからそれに見
合ったリターンがある。」というシンプルな原理原則を忘れて
はなりません。
◆いくら投資できるか?どこに投資すべきか?を考える。
計画を立てる時に最初に考えるべきことは、「自社はどれぐら
いの金額を投資に回すことができるのか?」ということです。
たとえ、3年目の売上高が10億円、費用が8億円で利益が2
億円となる計画を立てても、8億円の費用を費やす実力が自社
に備わっていなければ単なる空想です。資金調達力も含めて、
自社の投資能力を正確に把握する必要があります。次に、その
資金をどこに投資すれば一番効率よく利益をあげられるか、に
ついて考えましょう。
◆具体的な計画の立て方。
1.自社が投資可能な金額を把握する。
2.1の金額を、「何に」「誰に」使えば最も有効かを考える。
3.1の金額を設備投資と6か月程度の費用に振り分ける。
4.3の金額を費やした時、6か月以内に損益分岐点売上高を
達成できるかどうかを検証する。
5.自信がなければ投資金額を小さくして損益分岐点を下げ、
再度検証する。(繰り返し。)
妄想の売上計画から計画を立て始めるのではなく、現実的な投
資可能額から計画を立て始めてください。致命的なダメージを
受けるリスクが小さくなります。