『個人保証を外すために必要なこと』 …業績に加えて経営管理状況が問われます。
成長段階にある経営者様との会話で良く出るのが、「No2の
採用」に関する話題です。自分の右腕になる人材がいないとい
うのは、多くの経営者様が抱える課題ではないでしょうか。し
かし、一口にNo2と言っても様々なタイプがあります。自身
がどのようなタイプの人材を求めているのか、案外明確でない
方も多いようです。
先日のある経営者様との会話です。No2を探しているとのこ
とでしたので、どのような役割を期待しているかをお聞きした
ところ、「粗い情報を投げるだけで書類作成などを行ってくれ
るような人が欲しい。」とおっしゃいました。イメージは分か
りますが、家族ですらそのようなサポートを受けられるか怪し
いものです。一番困っているものは何かと絞り込んでいくと、
結果は「銀行対応(資金調達)」となりました。
一般的に営業を得意分野とする経営者様が多いためか、世間で
No2と呼ばれている方は、経営企画や財務などを得意分野と
していることが多いように感じます。先述の社長様についても、
望んでおられるNo2のイメージ像は、世間一般でいう財務部
長に近いイメージでした。よって、財務部長を雇用すれば解決
するのではと提案したところ、「もちろん財務部長という役職
は聞いたことがあるが、実際どのような仕事をしている人かピ
ンと来ない。」と打ち明けられました。確かに財務部長がいる
中小企業は多くありませんので、財務部長の役割を明確にイメ
ージできる方は少ないかもしれません。
財務と経理は混同されがちですが少し違います。経理の役割は
日々の取引を記録することですが、財務の役割は、経理が記録
した数値を分析して、資金調達等のアクションを起こすことで
す。財務部長には、財務諸表を見て会社の状態を把握するスキ
ルはもちろん、金融機関の考え方を熟知したうえで、的確な資
料を作成するスキルも求められます。財務部長は、番頭さん、
金庫番、参謀などと呼ばれることもあります。
経営者様によって思い描くNo2のイメージはそれぞれです。
現場を任すことができる営業部長、戦略を描くことができる経
営企画部長、人心掌握に長けた人事部長、資金の管理や調達を
行う財務部長等です。
中堅規模以上の会社には、財務部長もしくはそれに準ずる方が
必ずおり、社長は営業に専念し、財務部長が資金調達を行うと
いう役割分担ができています。
社長様が探しているNo2は、実は財務部長のことかもしれま
せん。