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コラム

片頭痛急性期薬を飲むタイミングとは?早く飲むべきか遅く飲むべきか?

2018年12月23日 公開 / 2020年11月9日更新

テーマ:広島の頭痛外来

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 頭痛 原因頭痛 対策

いのうえ内科脳神経クリニックの院長の井上です。
本日は、片頭痛の頭痛薬を飲むタイミングについてです。

片頭痛の急性期治療薬を飲むタイミング

Q(質問) 頭痛薬はいつのめば効果あるのですか?
1 頭痛がはじまってからすぐ
2 頭を下げたり(お辞儀徴候)頭を振って頭痛が酷くなるとき
3 頭痛のピークになってから
4 頭痛がはじまる直前(いわゆる前兆期)
A(答え) いずれも正解
頭痛のパターンは千差万別なんです。
いつのんでも頭痛による日常生活の支障を抑えれるならいいのです。

一般的に早く飲めば早いほど頭痛を抑える力が強いのですが、片頭痛の特効薬とされるトリプタン製剤は前兆期に飲むのと頭痛が来てから飲むのでは頭痛が来てから飲むほうが効果的だというデータがあります。
では

この例外を除けば早く頭痛薬を飲めばいいのでしょうか?

答えは「ノー」ですね。
だって軽い緊張型頭痛かわからないような頭痛のときにお薬を飲んでいたら、月に15日以上もおくすりを飲む必要がでてくる人がいます。
鎮痛剤の内服が月に15日以上を三か月も繰り返すと、鎮痛剤が効かない薬剤の使用過多による頭痛MOHになってしまいます。

頭痛のピークまで粘って飲むのがいいのでしょうか?

答えは「ノー」ですね。
ピークまで粘るとトリプタン製剤こそある程度の効果はありますが、鎮痛剤にいたってはまったく効果ないことも。
効果のないお薬を飲んでいると逆に片頭痛が長引く結果になり返って多くのお薬を飲むという結果に。
頭痛薬を軽い頭痛の時点で飲んだり、予兆期で飲む傾向のかたにMOHが多い反面、ピークまで粘ったり効かない頭痛薬を飲み続けるかたにもMOHは多いようです。
頭痛薬を飲むタイミングと患者さんがどの程度の頭痛を月に何日経験するかは深い関係があるんです。
月に何日も頭痛で悩まれるかたは、2の頭を下げて頭痛が酷くなるお辞儀徴候や、頭を振って頭痛が酷くなる首振り徴候があってから頭痛薬を飲むのがよいと思います。
月に一日か二日くらいしか頭痛がないかたは、さらに軽いレベルの1の頭痛がはじまってすぐの時か、前兆期に飲むのも手だと考えてます。
トリプタン製剤はまずは頭痛が始まるときに飲んでみて、つぎに前兆期に飲んでみてどちらが有効か試みるのがよいでしょう。

月に何日も頭痛で悩まれるかたは1の頭痛がはじまってすぐお薬を飲んではダメ?

答えは「日にちを決めれば飲んでもよい」
変な回答ですが、この日は就職試験・面接・発表、デートなど絶対にはずしたくない日であれば「頭痛がはじまってすぐに」飲んでよいと思います。
MOHのかたもしかり。
お薬の内服日数を制限している期間でも、絶対にこの日だけははずせないという日には「頭痛がはじまってすぐに」飲んでよいのです。

まとめ

有効であるとされる飲み方もありますが、時と場合により頭痛薬の飲み方は千差万別です。
自分にあった有効な飲み方を主治医の先生と一緒にさがしてみましょう。

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