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井上健(いのうえけん) / 内科医

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コラム

マインドフルネス

2017年8月20日 公開 / 2020年11月9日更新

テーマ:広島の頭痛外来

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: マインドフルネス


緊張型頭痛について先日コラムを書きました。その中でマインドフルネスという言葉を用いました。今回はそのマインドフルネスについてです。

マインドフルネスとは

マインドフルネスは「注意する」と直訳しますが「今現在において起こっている内面的な経験および外的な経験に注意を向ける心理的な過程のこと」をいいます。つまり「今」にのみ注目するわけです。過去に起こったことは全て雑念です。現在の自分はなにをしているか。つまり呼吸をしている、椅子に座ってるのでおしりが椅子にあたっている、体は重力に引っ張られている、外では小鳥が鳴いている、なにか香りがするなどに注意を向けるのです。呼吸と五感にのみ注意をむけることにより大脳を休息させてあげるというのが神経科学的な理屈になります。

マインドフルネスとうつ病の治療

マインドフルネスは、緊張型頭痛の治療にはもちろん有効ですが、うつ病の治療・免疫力を高める目的でも有効であったりします。米国ではうつ病の治療で薬を使用するという選択枝よりもマインドフルネスを利用した認知行動療法やマインドフルネスで得られるような脳の状態を磁気治療(頭痛治療でも応用されてます)がさかんになっております。

マインドフルネスと脳神経生理学的機序

神経生理学的には、背外側前頭前野(DLPFC) の血流の上昇がマインドフルネス状態によってもたらされることが証明されております。瞑想実践者において、この部位の大脳皮質の容量が増えることも報告されております。
この部位は、不安感が少ない方や神経症的スコアーが低い方では血流増多になり、注意欠陥障害や躁うつ病患者さんアルコール依存症の患者さんにおいては血流低下になります。また、ストレスによって増加される扁桃体(へんとうたい)の血流はマインドフルネス状態によって低下すると言われております。

マインフルネス呼吸法

・大きく息を吸い込んでからいきごらえをしてゆっくり息をはく。
・吸い込みに5秒。いきごらえに5から10秒。息をはくのに10秒です。
・5分間繰り返します。
呼吸法をしているときは、五感にのみ集中。
 第一に自分の呼吸。肺いっぱいに空気をいれることに意識しましょう。
 触覚は自分の身に着けているものが肌に触れているのを意識しましょう。
 小鳥などの声に耳をかたむけたり、部屋の香りなどに集中しましょう。

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