緊張型頭痛
先週、片頭痛発作の程度は軽くなったのに、頭痛の期間がだんだん長引くようになったといわれて来院された患者さんがいらっしゃいました。
画像について 変容という言葉で検索していたらキリスト教の変容ということでこのような画像が見つかりました。
美しい画像と思いましたので本文には関連あまりありませんが掲載させていただきました。
このような症状で来院されたときには脳血管障害や副鼻腔炎、炎症性頭痛のことがあります。
しかし、
最も多いのは片頭痛であり変容性片頭痛です。
片頭痛の持続時間は一般には4時間から76時間といわれております。
しかし実際は、76時間を超える場合もあります。
片頭痛の定義が、平均的な頭痛患者さんにおける典型的な症状に基づいて作られているためです。
この時間が長くなる多くの要因のひとつは、一人の患者さんが片頭痛のみならず緊張型頭痛も同時に抱えることが大きいようです。
また、片頭痛患者さんに合併しやすい後頭神経痛などのようなキリでさされるようなズキッとする頭痛も片頭痛発作中に合併することが知られております。
このような頭痛を頭痛ダイヤリーに記録してみます。
そうすると、拍動性頭痛の期間は76時間以内に終わっていたり、それ以外の期間はこめかみ痛だったり刺されるタイプの頭痛だったりわかります。
*こめかみ痛でも片頭痛発作のことは多くみられます。
片頭痛の症状は、年月がたつに連れて変化します。
片頭痛の症状が、年とともに変化するときに脳腫瘍などの器質的疾患の合併がないか鑑別することは大切です。
器質的原因がない場合には、これは変容性片頭痛(へんようせいへんずつう)と呼ばれております。
一般的には、まれに起こっていたひどい片頭痛発作が、一週間に数日あるいは連日おこる軽い頭痛への移行です。
これは脳の可塑性(かそせい)と関係しております。
時間の経過にともなって脳が痛みのメッセージの効率的な伝達方法を学習したことによるといわれております。
この変容は通常の場合はゆっくりと生じます。
まれに起こってた酷い片頭痛から連日性頭痛へのゆるやかな変化は、
1 鎮痛剤を多く使用する(薬剤の使用過多による頭痛に移行しやすい)
2 新たに体になんらかの疾病がおこる
3 女性ホルモン剤や精神科のおくすりなど新たな薬剤の使用
4 ストレス要因の変化
これらによって変容性片頭痛がもたらされた可能性もあります。
通常の頭痛が変化してきたときは是非頭痛専門医のドアをノックしてみてください。