深呼吸したくなる、人に優しい家づくりのプロ
深澤一喜
Mybestpro Interview
深呼吸したくなる、人に優しい家づくりのプロ
深澤一喜
#chapter1
「家は生活の基盤になる場所です。お子さまからご高齢の方まで、ご家族が心身ともに充実し、いきいきと暮らせる健やかな住まいをかなえます」
そう語るのは、群馬県前橋市の「深健工舎」代表の深澤一喜さん。社名には「深呼吸したくなるような居心地の良い健康住宅を、伝統や技術を大切にし、継承しながら丁寧に創りあげる」という理念を込めています。
「日本ではヒートショックで亡くなる方が交通事故の約3倍とも言われ、家の中の安全が問われています。30年超のローンを組んで手に入れたわが家が、命や健康を脅かすことがあってはなりませんから、安心して暮らせることを数字として示しています」
深健工舎の基本仕様は「4つの太鼓判」。断熱性能UA値「0.3W/m²K以下」、気密性能C値「0.3cm²/m²以下」に加え、「耐震等級3」と「自然素材の使用」を自社基準として設定しています。
「冷暖房効率をアップして夏は涼しく冬は暖かい住空間と地震に耐える構造を実現し、丸太を切り出した無垢材などを用いて心地よい空気感を創出するのが目標です。省エネにより光熱費を削減し、耐震性を備えて安全性と資産価値を高めることも目的としています」
子育て世代やシニア層など、年代やライフスタイルも踏まえてプランニング。中でも、化学物質など住環境に敏感な人にも心を砕いています。
「自律神経の乱れやアレルギーなどに悩む方にお会いすることが増えています。さまざまな要因が絡み合い、原因を特定するのは難しい分野ですが、試行錯誤しながら寄り添いたいと思っています」
#chapter2
父親が木造家屋などを手掛ける大工工務店を営み、幼い頃から作業場に顔を出していた深澤さん。夜間の建築学科で学びながら昼間は家業を手伝い、卒業後は父の知り合いの建設会社で修業しました。
「建築には土木・躯体工事から屋根・内装・電気・水道まで、数多くの業者が関わります。父親の現場で育ったようなものなので、多くの職人から見聞きしたことが、家づくりに生きています」
2008年に独立して案件を請け負っていましたが、「当時は休憩時間になるとくわえたばこをして、缶コーヒーを飲み、態度が悪い職人だった」と振り返る深澤さん。自らを省みる転機となったのは、自身に化学物質過敏症のような症状が出たことと、新しい家族を迎え、子どもが生まれたことです。
「それまでも『お子さんのための家』と言っていましたが、わが子ができて、本気で人に優しい家とは何かを追求するようになりました。禁煙もして、家づくりへの姿勢がガラリと変わりました」
子育て環境を考える「住育キャラバン」や、工務店が自社オリジナルな家づくりを確立するまでを支援する「ブランディング道場」に参加。学びを深める中で目指す方向性が見えてきました。
「住宅内の事故を防ぎ、居心地が良く癒やしをもたらす家をつくるのが自分の役目だと気づきました。外に向けて発信もしていませんでしたが、自分を必要としている人に情報を届けたいと思うようにもなりました。ホームページのブログでは、昨今の猛暑対策や廃棄物を減らす環境に配慮した家づくりについて紹介しています」
#chapter3
2025年、父から引き継いだ「深澤建設」を「深健工舎」と改めた深澤さん。70代の夫婦から任された戸建ての新築で、自らが理想とする家を具現化する機会が訪れます。
「木材の選び方から組み方まで、こだわりはつきませんでした。1枚の木を手に取り、並び順を考えながら適材適所に収めていく。作業が楽しくて休憩を忘れるほどでした。お客さまが『素晴らしい家に仕上げてくれてありがとう』と喜んでくださり、多くの人の役に立ちたいと奮い立ちました」
近年は世代交代などを背景に、リフォームやリノベーションのニーズが増加傾向に。既存の建物を生かしながら快適で便利な家にするには、大工の技術や経験が欠かせないと考え、志を同じくする同業仲間と、定期的に勉強会や現場見学会を開催。北関東・東北エリアの建築グループでは支部長を務めるなど、知識のアップデートに努めています。
「建てては壊すスクラップ・アンド・ビルドではなく、古民家再生のように良いものに価値を認める世の中になっていると感じます。自信をもって選んだ素材と培ったノウハウで、解体しても再利用できる住まいを提案したいですね」
国産や県産の天然木を活用するなど、ぬくもりあふれる趣が「深健工舎らしさ」となり、ブランドとして浸透することを展望。「家のお医者さん」として地域に根ざして活動すべく、木造住宅の改修・維持管理を専門とする「住宅医」の資格取得に励む深澤さん。「ちょっとした不具合でも、気になることがあれば気軽にご相談ください」と呼び掛けます。
(取材年月:2026年7月)
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Profile
深呼吸したくなる、人に優しい家づくりのプロ
深澤一喜プロ
建設業
深健工舎
「断熱性能」「気密性能」「耐震等級」に独自の基準を設け、省エネや耐震を考えた家を設計。できるだけ自然素材を用い、化学物質過敏症などに悩む方に寄り添った家づくりを提案しています。
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