名刺デザイン
私のような個人のデザイナーの場合、ロゴデザインや印刷物やノベルティなど
いくつかの制作物を、あわせてご相談をうけることが多くあります。
そうした中でウェブサイト(ホームページ)も制作担当することがあります。
InstagramなどのSNSだけの発信も当たり前の時代ですが、
Google検索にヒットするようなボリュームのある会社情報を伝えるツールとしては、
やはりウェブサイトが必要になってきます。
この時、意外にかかるのが制作費コストです。
SNSなどであれば基本無料で、個人でも更新できるものですが、
ウェブサイトの構築となると専門的職能が必要となりコストがかかってしまいます。
コストの抑え方
ウェブサイトを専門に仕事をしているウェブデザイナーではなく、
個人のグラフィックデザイナーが、ウェブサイトの構築を受注するケースにおいて、
コストを抑えるには…
ウェブサイト(ホームページ)を制作する際、
どこにコストがかかるかというと、デザイン、そして実装のためのコーディングです。
納品までのプロセスとして、パンフレットなど印刷物の場合、
デザイナーから印刷所へとバトンが渡されるように、
ウェブサイトの場合は、デザイナーがデザインしたものを実装を担当する
コーディング担当者(コーダー)へとバトンが渡されます。
コーディングとは、HTML、CSSを用いて、デザインを再現していくためエンジニア作業です。
コーディングは物理的に時間がかかるため、ページ数、ボリュームが多ければ多いほど作業時間は増え、コストに反映されてしまいます。
事例紹介
私が担当した株式会社ケトルさんのウェブサイトになります。
シンプルなレスポンシブサイトになります。
以前よりホームページ全体の管理を私が担当しており、
リニューアルの話が持ち上がった際の事例です。
https://www.kettleinc.com/
業種はCMやテレビ撮影のためのロケバス、キャスティングです。
ホームページでの情報のメインは、ロケバスの具体的なサービスについてになります。
ロケバス車両の車種が多いため、情報量、ページ数は多めです。
その上で、少しでも制作コストを抑えたいという状況でしたので、以下の提案をしました。
1、使用する素材(写真、テキスト)をクライアント側で用意してもらう
写真素材撮影やテキストのライティングを外注せず、社内で行なってもらう、というものです。
デザイナーとコーダーで作るウェブサイトが、一番ミニマムなスタッフィングになります。
2、コーディングする前段階でデザインを確定させる
デザインについて、事前にPDF等でPC版、スマホ版の見え方を確認してもらい、
修正があればPDF上で修正反映を確認し、了承を得ます。
基本的には、変更のない状況でコーディングを依頼する形をとりました。
当たり前のことに聞こえますが、コーディング後に大きな修正が入れば、
コーディング作業時間が増えコスト増加につながるためです。
3、外注するページを最低限にする
具体的に、以下のページでご説明します。
ロケバスの車両の紹介ページです。
株式会社ケトル ロケバスの車両一覧
種類が豊富で、マイクロバス、ワゴン、アルファード、ハイエースと合計15車種あります。
これを全てコーディングを外注すると単価×15ページ分かかってしまいます。
そこで、基本となる1ページだけを、テンプレートとしてコーディングしてもらい、
残りの14ページは画像とテキストの差し替えで済むようにしました。
専門職であるコーダーに15ページ分を作業してもらうよりも、コストを抑えられます。
こうした方法で、さらに以下のページ
株式会社ケトル ボックスサービス
こちらも9種ありますが、テンプレート1種をコーディングしてもらい、
残りの8ページは画像、テキストの差し替えでの対応をとりました。
上記は、車種15ページ、ボックス9ページ、合計24ページ分ありますが
コーダーへの外注は2ページ分で済むことになりました。
クライアントの希望、やりたいこと、伝えたいこと、優先したいこと、そして予算との兼ね合い。
可能、不可能の二元論ではなく、問題解決のためのより良い方法論や、
着地点を提案することもデザイナーの役割かと思っております。