【ネット印刷の色味問題】失敗しないための3つのポイント!
群馬県高崎市のデザイナー七字です。グラフィックデザインの仕事は、販促物、とりわけ紙の印刷物をデザインすることが多いです。
ポスター、チラシ、ハガキ、ショップカード、パンフレットなどです。
これから販促物が必要になった方、初めて印刷物の発注担当になった方などは、用紙や印刷方法について考える機会は少ないかもしれませんが、
ひとえに印刷物と言っても、選ぶ用紙や印刷方法はたくさんあり、何をチョイスするかによって手に取ったときの受け取り手の印象が変わります。
紙の広告物は、印刷部数の違いや、訴求する内容、目的によって、適した仕様が変わります。
用紙の選び方や印刷方法を検討する必要があります。
一般的に、部数が多く不特定多数の手にわたるもの、例えばポスティングするチラシ、折り込みチラシなどは、単価を抑えたコスパの良い仕様が適していると思います。
一方で顧客リストに送るもの、あるいはブランディングを重視する商材によっては、コストのかけるポイントが変わります。
名刺、招待状、営業ツールなど、顔と顔を合わせるようなリアルなコミュニケーションを伴う場合は、強い印象が残るような仕様が良いと思います。
印刷方法
コストを抑える場合はオンデマンド印刷で良いのか、オフセット印刷が良いのか。
オフセット印刷のほうが仕上がりが美しいので、コストを比較して大きな差がなければオフセット印刷が望ましいです。強い印象にしようと思った場合は、特殊印刷という方法もあります。
UVやバーコを使った盛り上げや、エンボスを感じる活版印刷、発色の良い特色インキ、金銀を使った箔押しなどの方法があります。
用紙
コストを抑えた用紙を選ぶ場合、ツルツルしたコート紙や、マットな上質紙など選択肢はありますが、これはデザインとの相性によって決めるのが望ましいです。
高級な用紙も、さまざまです。白い紙と言っても、ナチュラルなホワイトからスノーホワイトまであります。キラキラした特殊紙という選択もあります。
斤量(紙の重さ、厚み)はどれくらいがベストなのかも検討が必要です。
仕様にこだわった場合のメリットは、以前「名刺デザイン」の回でも書きましたが、手に触れたときに強いフックになると考えています。
リアルに手にとりますので、目で見て、触って伝わる強みが印刷物にはあります。
以下は事例のご紹介です。以前に制作した展覧会のA5サイズのDMです。
関係者にお送りする展覧会告知用のDMでした。
制作時は、展示予定の目玉の新作が完成していない状況で、本来であればDMに掲載したかった実物写真の掲載が間に合わないという制限がありました。
その時に考えたのが、作品のエスキース(デッサン)+ロゴタイトルの箔押しです。
完成作品の設計図となる白黒のエスキースの上に、金色の箔押し、そのコントラストで展覧会の主張を強くできれば、という考えでした。
用紙はヴァンヌーボVスノーホワイトで、手に取ったときの風合いが伝わる高級紙です。
斤量は235kgという重いもの。ペラペラしないことで安っぽさを感じないようにしました。
このときデザインしたロゴはステンシル調のフォントデザインにして、ペイント作品との親和性、箔押しとの親和性を感じられるものにしました。
私の場合、目的に応じたオススメの用紙、印刷方法のご提案と、一方でコスパの良い現実的な案の両方をご提案するようにしています。