子どもがお小遣いを「稼ぐ」にはどうする?親が家庭で教える、売る物・値段・SNSで知らせるまでの5ステップ

お金が生まれる仕組みとは、だれかの「こまった」を助けたり、「うれしい」を届けたりしたお礼として、お金が支払われることです。
子どもに「お金ってどこから来るの?」と聞かれたことはありませんか。「お父さんやお母さんが会社で働いてもらってくるんだよ」と答えるのは、まちがいではありません。でも、それだけでは「会社はどうやってお金をもらっているの?」という次のなぞが残ります。
このコラムでは、お金が生まれる仕組みを子どもにわかる言葉で伝える方法と、家で実際に小さく稼いでみるまでの手順を紹介します。
お金は「ありがとう」の形です
子どもに伝えるときは、身近なお店の例がいちばんです。
パン屋さんは、朝ごはんを用意する時間がない人のために、おいしいパンを焼いています。お客さんは「助かった」と思うから、パンの代金を払います。床屋さんは、自分では切れない髪を切ってくれます。だからお金を払います。
つまり、お金は「助けてくれてありがとう」の気持ちを、数字にしたものです。たくさんの人を助けるお店ほど、たくさんのお金が集まります。
親御さんの仕事も同じです。「お母さんの会社は、だれのどんなこまったを助けているのかな」と話してみてください。子どもにとって、仕事とお金がひとつの線でつながります。
親が教える、お金が生まれる仕組みの4つのステップ
話を聞くだけでは、仕組みはなかなか身につきません。おすすめは、知る、さがす、つくる、知らせる、の順に、少しずつ体験させることです。
1. レシートを一緒に見る:お金の行き先を知る
買い物のあと、レシートを子どもと一緒に見ます。「このパンは150円。この150円は、パン屋さんのどこに使われると思う?」と聞いてみます。
小麦粉やバターの材料、お店の電気代、はたらく人のお給料。そして、残ったぶんがお店の「もうけ」です。お金が人から人へ回っていることが、見えるようになります。
2. 町の「こまった解決」をさがす:仕事の見つけ方を知る
お出かけのとき、看板を見ながらクイズをします。「クリーニング屋さんは、だれのどんなこまったを助けている?」「コンビニは?」。
答えはひとつでなくてかまいません。どの仕事も、だれかのこまったから生まれている。このことに気づくと、子どもは自分でも仕事を考えられるようになります。
3. 家で小さく売ってみる:材料のお金ともうけを知る
次は、子ども自身がお金を生み出す番です。手づくりのカードやしおり、育てた野菜など、家族や親せきに喜ばれそうな物を1つ決めます。
たとえば、カードを1枚100円で売るとします。紙とシールの材料が1枚20円なら、残るのは80円です。5枚売れたら400円。材料を買いすぎたら、もうけは減ります。ノートに書いて、一緒に計算しましょう。
値段は、親が決めないのがコツです。「おばあちゃんなら、いくらなら買ってくれるかな」と子どもに考えさせます。高すぎて売れなかったら、次は下げてみる。安すぎて材料のお金が出なかったら、上げてみる。この小さなためし方が、会社の値段の決め方と同じです。
4. 知らせる:SNSは親のアカウントで
よい物でも、知られなければ売れません。家族への声かけや、手書きのポスターに加えて、親のSNSで写真を紹介するのも1つの方法です。
紹介の文は、子どもと一緒に考えます。「だれの、どんなこまったを助ける物か」を1行で書く練習は、大人の仕事のことばづくりと同じです。
世界と日本の、お金の学び方
アメリカ:おばあちゃんに習った裁縫から生まれた、蝶ネクタイの会社
アメリカのモジア・ブリッジズさんは、9歳のころ、お気に入りの蝶ネクタイ(ちょうちょの形のネクタイ)が見つからないことにこまっていました。そこで、元は洋服をぬう仕事をしていたおばあちゃんに、ぬい方を習いました。
自分のためにつくった蝶ネクタイが、まわりの人に「ほしい」と言われるようになり、「Mo's Bows(モーズ・ボウズ)」という会社になりました。2017年には、アメリカのプロバスケットボールリーグ(NBA)と契約し、全30チームのロゴ入りの蝶ネクタイをつくったと報じられています。
自分のこまったが、ほかの人のこまったと同じだった。お金が生まれる仕組みが、よくわかる例です。
日本:国がつくった、お金の教育の専門機関
日本では2024年4月に、金融経済教育推進機構(J-FLEC)という組織ができました。金融庁が担当する国の認可法人で、お金の知識をみんなに広めることを目的にしています。
学校や放課後児童クラブなどへの出張授業や、中学生向けの「おかねの作文」コンクールなども行っています。お金の教育は、家庭だけでなく、国としても大切にされている学びです。
子どもとお金を扱うときに、親が守りたいこと
1. SNSのアカウントは親のもの:多くのSNSは、13歳以上でないと自分のアカウントを作れない決まりです。投稿もやりとりも、親が行います
2. 顔・名前・学校・住所は出さない:写真は商品と手元だけにします
3. 売り買いの約束は親が:子どもがする売り買いの約束には、親の同意がいるという法律のルールがあります。外の人に売るときは、親が窓口になります
4. もうけの使い道を一緒に決める:使う、ためる、次の材料に回す。3つに分けると、お金を回す感覚が育ちます
マーケターとして伝えたいこと
私はふだん、コピーライター・マーケターとして、お店や会社の「売り方」や「伝え方」をお手伝いしています。
売れているお店ほど、「だれのどんなこまったを助けるのか」がはっきりしています。反対に、売れないお店は、何を売るかばかりを考えがちです。子どものうちに「こまったを先に見る」くせをつけておくことは、将来どんな仕事をしても役に立ちます。
親御さんが気になりやすい3つの疑問
何歳から教えられますか?
お店屋さんごっこができる年なら、パン屋さんの例から始められます。小学校の低学年はレシート読み、高学年は材料のお金ともうけの計算まで進むと、ちょうどよい難しさです。
「お金のために働く子」になりませんか?
先に「人を助けるとお金になる」と教えるので、お金だけを追いかける考え方にはなりにくくなります。もうけの話をするときも、「だれが喜んでくれたか」を一緒にふり返りましょう。
親がお金の説明に自信がないのですが?
むずかしい言葉は使わなくて大丈夫です。「この仕事は、だれを助けているのかな」と一緒に考える。それだけで、十分なお金の教育になります。
まとめ
お金が生まれる仕組みとは、だれかのこまったを助けたお礼として、お金が支払われることです。親が教えるのは、レシートを見る、町のこまった解決をさがす、家で小さく売ってみる、知らせる、の4つのステップです。
9歳の男の子のこまったから、世界のプロバスケットボールチームと組む会社が生まれました。最初の一歩は、今日のレシートからでも始められます。
「だれの、どんなこまったを助けるのか」を伝える力は、大人の仕事でもいちばん大切な力です。私のメールマガジンでは、共感を呼ぶ伝え方の集客成功事例集を、無料でお届けしています。毎朝7時には、ニュースメールもお送りしています。お子さんとお金や仕事の話をするときのヒントとしても、ぜひお役立てください。
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