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東京からの避難勧告/世捨人暇潰20

嶋﨑剛志

嶋﨑剛志

テーマ:文明・構造(思想)

避難勧告:東京という「集団遭難」から逃れよ

——「自由」という名の嘘に買い叩かれる人々へ
「東京へ行けば、今より良くなる」。
この根拠なき幻想を信じ込み、地方を脱出する若い女性たちが絶えない。
メディアは「自分らしく輝くライフスタイル」を喧伝し、
教育は「可能性は無限大だ」と背中を押す。
だが、その先に待っているのは、自己実現という名の漂流と、
取り返しのつかない時間の喪失という残酷な結末だ。

ベルカーブ

我々は今、統計学的な「ベルカーブ(正規分布)」の現実を直視すべき時に来ている。
ベルカーブとは、簡単に言えば偏差値だと思えばよい。
ベルカーブの右側とは、偏差値60以上の集団
ベルカーブの中央とは、偏差値50前後の集団
ベルカーブの左側とは、偏差値40前後の集団
のことだ。

さらに言えば、東京で成功できるのは
偏差値65以上の集団であり、全体の6.7%だ。
つまり、100人中ベスト8以上という、極めて限られた人々だ。

1. 「右端の成功者」という幻想の毒

メディアが映し出す「東京で自立し、華やかに暮らす女性」は、
ベルカーブの右端に位置する、
極めて高い認知能力と戦略的思考を持つごく一部の例外に過ぎない。
彼女たちにとって東京は、自らの才能を換金するための効率的な「装置」だ。

しかし、教育や報道の罪は、この「右端の成功」を、
中央付近に位置するボリューム層にとっても
「努力次第で手に入る標準」であるかのように錯覚させたことにある。
自分の適性と戦場の難易度を見誤ったまま、
裸一貫で東京という冷徹な市場に飛び込めば、結果は見えている。
資本に搾取され、気づけば30代。
婚期を逃し、何者にもなれぬまま、都会の孤独に沈んでいく。

2. 地方の「しがらみ」は、生存のセーフティネットだった

かつて地方に存在した「早期に結婚し、家庭を持つ」という古い風習は、
実はベルカーブの中央から左側に位置する人々が、
路頭に迷わないための極めて合理的な生存戦略であった。

若いうちにライフイベントを済ませることで、
体力的な不安を解消し、親族や地域の相互扶助という「資本」を味方につける。
30代後半、東京で漂流する同年代が婚活に焦り、孤独に震えている頃、
地方の選択をした女性たちは、すでに子育てから解放され、
本当の意味での「自由な時間」と「安定した生活」を手にしているのだ。

「自由」とは、すべてを自力で調達しなければならない過酷な自己責任の世界である。
そのコストを支払える能力がない者に、
メディアは無責任に「自由」を売りつけ、
地方という安定した基盤を捨てさせてしまった。


3. 「身の丈」という賢明な戦略

「偏差値65以下の人々は地方に居ろ!」
この言葉は蔑視ではない。
むしろ、自分の特性を見極め、最も勝率の高い戦場で、
最も幸福度の高い人生を構築せよという、
最大級のアドバイスである。

東京は、平均以上のスペックを持つ人間をふるいにかけ、
磨り潰すことで維持される都市だ。
そこに飛び込むことが「グレードアップ」だという洗脳を解かなければならない。

地方で身の丈に合った生活を営み、早期に地盤を固めることは、
決して「妥協」ではない。
不確実な幻想を追いかけて漂流する「賢いふりをした愚か者」を尻目に、
確実な幸福を掴み取る「真に賢明な選択」なのである。

教師やメディアに騙されるな!

教育者もメディアも、もはや真実を語ることはない。
みんな、やれば出来る!、努力は報われる!と嘘を吐く。
しかし、これは紛れもない嘘であり、教師の逃げである。
だからこそ、我々は自分自身に「避難勧告」を出さねばならない。
東京という甘い地獄で、これ以上大切な人生を浪費してはならない。

「身の丈を知るべし!」
それは諦めでも妥協でもない、
持てる力を最大限発揮して幸福をつかむ賢い生存戦略である。

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嶋﨑剛志
専門家

嶋﨑剛志(農業法人)

農業法人株式会社こうづけの里

色・形良く、艶・張りもある美しくおいしい野菜を育てるため、微生物、有機肥料、化成肥料、農薬など、あらゆる手法を適切に使用。低コストで価値ある野菜を顧客に届け、農業と地方の再生、事業継承にも取り組みます

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