日本人は“欲”を極限まで磨き上げる民族である/文明・構造(思想)編(1-4:日本人の凄さーセブンイレブンー)
生活短観
人は誰しも認められたい。
これは人間の性(さが)だから仕方ない。
かくいう私も承認欲求の塊だった。(今もそれなりに)
特にサラリーマンは承認欲求の海を泳いでいる。
上司の評価、昇進昇格は、承認そのものだ。
部長になり役員になる、その極地が社長だ。
サラリーマンは承認を得るために働き、生きている。
かつて、私もサラリーマンだった。
しかし、ある時、気づく。(私も気づいた)
定年するとその評価(承認)は、跡形もなく消え去る。
ほとんど何も残らない。
人生のほとんどの時間と情熱を賭けて得た評価、地位(承認)は、
定年とともに消え去る。
※もちろん超巨大企業の社長くらいになれば話は違うが。。。
なので、私はサラリーマンを辞めた。
そして単なる中小農業経営者になった。
サラリーマン的な承認も安定も、当然無くなったが、
何もなくなったかといえば、そんなことはない。
大根栽培も毎年経験を積み、失敗し、改善し、次の目標を立てて挑戦している。
どんどん仲間が増え、輪が広がり、アイディアが湧き、行動している。
その先に何かがあるのが分かるし、そこには定年も年齢制限もない。
私は、誰にも奪われない何か、
時間とともに価値が上がる何か、
を、今、間違いなく積んでいる。
2-5 なぜ「承認欲求」を手放す必要があるのか
― それは欲望ではなく、代替報酬だから
ここまでで、
ドーパミンとセロトニンについて整理してきた。
・ドーパミンは、未来に向かって動くための燃料
・セロトニンは、動いた後に訪れる安定
この二つは、本来、
時間の流れの中で連動するものだ。
では、
なぜ現代人は、ここに「承認欲求」を挟み込むのか。
承認欲求は、どこから生まれたのか
承認欲求そのものは、人間に昔からあった。
しかし、
それが人生を左右するほどの報酬装置になったのは、
現代文明において初めてだ。
文明は、
承認を可視化し、数値化し、即時に返す仕組みを作った。
その結果、
本来は「副次的な報酬」だった承認が、
いつの間にか「主報酬」にすり替わった。
承認は「即席のセロトニン」
誰かに認められる。
評価される。
「いいね」がつく。
すると、
一瞬、安心する。
これは確かに、
セロトニン的な感覚だ。
だが、決定的な違いがある。
承認は、行動の結果ではない。
・動かなくても
・積まなくても
・未来につながらなくても
安心だけが先に来る。
これは、
順序の壊れたセロトニンだ。
承認が増えるほど、不安も増える理由
承認は、即効性がある。
だが、持続しない。
なぜなら、
承認の源は常に他人だからだ。
・次ももらえるか分からない
・評価が下がるかもしれない
・比較される
こうして、
安心を得るために、
より多くの承認が必要になる。
これは欲望ではない。
不安への対処行動だ。
なぜ承認は、ドーパミンを壊すのか
承認を目的にすると、
行動の向きが変わる。
・面白いかどうか
・やってみたいかどうか
ではなく、
・評価されるか
・ウケるか
・怒られないか
が基準になる。
すると、
探索型のドーパミンは使われなくなる。
未来に向かう燃料が、
比較と恐怖に奪われる。
承認欲求を「手放す」とはどういうことか
ここで誤解が生じやすい。
承認欲求を手放すとは、
・人に嫌われろ
・評価を無視しろ
・孤独になれ
という話ではない。
そうではなく、
承認を、報酬の中心から降ろす
という意味だ。
報酬を元の位置に戻す
本来の順序は、こうだ。
・思索する
・探索する
・行動する
・時間が積み上がる
・あとから安心が来る
この流れが戻れば、
承認はあってもなくてもよくなる。
承認は副産物に戻る。
「何者かになりたい」が消える瞬間
承認欲求が強い人ほど、
こう言う。
「自分は何者かにならなければならない」
だが、
これは本心ではない。
未来が見えない不安を、
肩書きで埋めようとしているだけだ。
時間投資が始まると、
この焦りは自然に消える。
なぜなら、
すでに“進んでいる”から。
世捨て人という選択
承認欲求を手放すとは、
世の中から逃げることではない。
世の中の評価に、
人生の主導権を渡さない
という態度だ。
・淡々とやる
・比べない
・積む
・発酵を待つ
これが、
この章で後に言う「世捨て人」である。
次へ
次は、承認欲求を手放したあとに、
人がどこに立てばいいのかを具体化する。
承認を報酬の中心から降ろしても、
放っておけば、また別の“即席の報酬”に寄っていく。
だから必要なのは、気分ではなく基準だ。
自分軸とは感情ではなく、判断基準である。
そして時間投資とは、未来の快を追いかけることではない。
今日の選択が積み上がる仕組みを取り戻すことだ。
次は、
自分軸と時間投資を取り戻す
というテーマで、報酬リセットを生活の技術に落とす。
大好きな炭水化物よ、さようなら!



