Mybestpro Members

平栁要プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

血糖値が気になる人は白米よりも玄米を!

平栁要

平栁要

テーマ:食と健康

食品医学研究所では毎年、米(ひとめぼれ)づくりをやっており、今年は約2反歩(約2,000m2)の田植えが終わりました。

これまで、玄米状態で30kg10,000円、つまり5kg1,670円ほどで、お得意様にお分けしておりましたが、昨今、米価の急騰のため、今年は5kgをいくらでお分けするか決めかねています。

ところで、血糖値が高く、気になっているという人から、「白米と玄米とでは糖尿病のリスクに違いがあるのですか?」というような質問を受けました。

ご存じのように、血糖値がどれくらいの速度で上昇するかを食品別に数値化したGI(グリセミック・インデックス)値では、白米が69.4~84.0、玄米が50.2~59.7とやや玄米のほうが血糖値を上げにくいと云えます。

また、玄米には白米に比べて、胚芽や糠(ぬか)が残っており、食物繊維、ビタミン、ミネラル、フィトケミカルなどが豊富に含まれているため、血糖値の急上昇(血糖値スパイク)を抑えたり、インスリンの働きを助けたりする効果が期待できます。

カナダのトロント大学による19編の関連論文のシステマティックレビュー&メタ分析(BMJ Open, 2022, 12(9), 13pages)によると、白米は2型糖尿病のリスクを有意に高めますが、玄米は2型糖尿病のリスクを有意に下げることが分かりました。

また、米国のハーバード大学の約20万人の男女を対象にしたコホート(集団追跡)研究(Arch Intern Med, 2010, 170(11), 961-969)によれば、白米を玄米に置き換えると、2型糖尿病のリスクが16%低下し、白米を週5回以上食べている人が、そのうち2回を玄米に置き換えるだけでも効果があるそうです。

ただし、血糖値の上昇の仕方は、個人差をはじめ、食べ方や副食内容および生活習慣なども影響することが分かっています。

つまり、玄米は白米に比べ、栄養価が高く、糖尿病などの予防に役立つ可能性が高いですが、必ずしも「玄米を食べれば安心」と云うわけではありません。
なお、野菜→タンパク質食品→炭水化物(ご飯)といった食べる順番を守れば、白米を食べても血糖値の急上昇を抑えることが可能です。

また、白米でも“おにぎり”や“お寿司”などとして冷えた白米を食べるとレジスタントスターチ(難消化性デンプン)が増えてGI値が低くなり、2型糖尿病のリスクを下げてくれます。

なお、レジスタントスターチ(難消化性デンプン)には、上図に示すように、血糖値を安定化するほか、腸自体や内部環境を良好にするなどの働きがあります。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

平栁要
専門家

平栁要(食と健康の専門家)

株式会社食品医学研究所

”食と健康”の専門家として、メディア出演、書籍の出版、企業の顧問、講演など多数。海外で客員研究員として研鑽を積み、世界中の英語論文からエビデンス(科学的根拠)のある信頼できる情報を無償提供しています。

平栁要プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

食と健康に関する確かな情報を提供するプロ

平栁要プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼