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糖分や脂肪分が多い「超加工食品」の多食はメタボやがんおよび精神障害のリスクを高めることが判明!

平栁要

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テーマ:食と健康

最近、「超加工食品(Ultra-processed foods)」の多い食生活は、メタボリックシンドローム(内臓肥満、高血圧、高血糖、脂質異常)やがんおよびうつ病などの発症リスクを高め、結果的に病気による罹患率や死亡率を上昇させることが明らかになりました。

そもそも、「超加工食品」とは、に示すように、ブラジルのサンパウロ大学による論文(Public Health Nutr, 2018, 21(1), 5-17)で提唱されたNOVA食品分類の中で、Group4にあてはまる食品のことをいい、糖分(主に砂糖やでんぷん)、脂肪分(主に動物性脂肪やリノール酸<ひまわり油・綿実油・とうもろこし油・大豆油・サラダ油>)および塩分を多く含む加工済み食品で、これに香料、着色料、人工甘味料、安定剤、防腐剤、乳化剤などの添加物を加えて、常温保存や長期保存を可能にした食品のことです。

「超加工食品」は非常に美味しく魅力的で、賞味期限が長く、いつでもどこでも食べられるように作られていますが、一般にエネルギー(カロリー)量が高く、不健康な種類の糖分や脂肪分(飽和脂肪酸・リノール酸・トランス脂肪酸)および塩分が多く、食物繊維やさまざまな微量栄養素、その他の生理活性物質が不足しています。

具体的には、包装菓子パン、スナック菓子、ドーナッツ、ソフトドリンク、クッキー、フライドポテト/チキン、インスタントラーメン、冷凍食品など、甘いのも、脂肪分の多い物、しょっぱい物といった脳疲労などによる欲求を満たしてくれる食品です。

オーストラリアのディーキン大学による45編の関連論文のシステマティックレビュー&メタ分析(BMJ, 2024, 384, 15pages)では、超加工食品を多く含む食事は、全死亡率のリスクが1.21倍、心臓病死亡率が1.66倍になるほか、2型糖尿病の発症リスクが1.40倍、うつ病が1.22倍、睡眠障害が1.41倍、喘鳴(気管・気管支狭窄)が1.4倍、肥満が1.55倍になります。

また、ノルウェーのベルゲン大学による11編の疫学研究のシステマティックレビュー&メタ分析(Clin Nutr, 2023, 42(6), 919-928)では、超加工食品を多く含む食事は、大腸がん、乳がん、前立腺がん、膵臓がん、慢性リンパ性白血病、脳腫瘍の発症リスクを有意に高めることを明らかにしています。

このように、糖分、脂肪分(飽和脂肪酸やリノール酸など)および塩分の摂り過ぎは慢性的な炎症を引き起こし、メタボに繋がることは多くの人に知られていますが、がんやうつ病のリスクも高めてしまうことはあまり知られていません。

空腹になりすぎると脳の報酬中枢を刺激する手軽で安価な「超加工食品」を衝動買いしやすくなりますが、規則正しい食事をすることで、これを防ぐことができます。

また、日頃からスーパーなどで加工食品を購入する際には、食品の成分表示ラベルを見比べて、砂糖や不健康な脂質およびナトリウム(塩分)の量の少ない食品や原材料リストが短く添加物がないか少ない食品を選ぶようにすることをおすすめします。

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平栁要
専門家

平栁要(食と健康の専門家)

株式会社食品医学研究所

”食と健康”の専門家として、メディア出演、書籍の出版、企業の顧問、講演など多数。海外で客員研究員として研鑽を積み、世界中の英語論文からエビデンス(科学的根拠)のある信頼できる情報を無償提供しています。

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