通常の「白にんにく」と醗酵させた「黒にんにく」では、どんな健康効果上の違いがあるの?
シナモンはシンナムアルデヒドなどの生理活性化合物の生物学的活性によって、図に示すように、メタボリックシンドローム、とりわけ高血糖に有益な効果を発揮するというエビデンス(科学的証拠)が増えています。
これまでのin vitro(試験管内実験)やin vivo(動物実験)に基づくと、シナモンのインスリン様作用と酵素活性の改善によって、筋肉組織などにおけるグルコース代謝の上方調節を引き起こすとともに、腸内でコレステロールや脂肪の吸収を減らすようです。
2024年6月に信頼性の高いシステマティックレビュー&メタ分析を用いた報告(Nutr Rev, 2024, PMID:3817435)がブラジルのミナスジェライス州南東部連邦教育科学研究所からなされました。
この報告では、これまでに発表された2型糖尿病者に対するシナモンの効果に関する28編の関連論文をシステマティックレビュー&メタ分析で評価しています。
その結果、シナモンを摂取した群は摂取しない対照群と比較して、空腹時血糖値(FBG)が-15.26mg/dL、食後血糖値が-39.22mg/dL、HbA1c値が-0.56%、インスリン抵抗指数(HOMA-IR)も-0.76、それぞれ有意に下がりました。
特に、カプセルの形でシナモンを1日に2g未満または2g以上を摂取していた2型糖尿病者では、FBGが-18.43mg/dL、食後血糖値が-44.83mg/dL、HbA1c値が-0.56%、それぞれ有意に下がったほか、脂質プロファイルの悪玉(LDL)コレステロール値が-6.49mg/dL、中性脂肪値が-19.75mg/dL、それぞれ有意に下がりました。
さらに、カプセルの形でシナモンを1日に2g未満を摂取していた2型糖尿病者では、HbA1c値も-0.68%、HOMA-IRも-0.94のほか、肥満の指標となる体格指数(BMI)も-1.18kg/m2、それぞれ有意に下がりました。
これらを要約すると、2型糖尿病者が1日2g未満のシナモンをカプセルで摂取すると高めの血糖値や異常な脂質プロファイルを改善できるだけでなく、体重の減少、すなわちダイエット効果も期待できることが分かりました。
高めの血糖値や脂質異常ならびに内臓脂肪が気になる方は、是非、カプセルに入ったシナモンを一日に1g前後を摂ることをお薦めします。
シナモンには血圧を下げる効果も期待できますが、質の高い研究報告の数が限られているため、血圧管理にシナモンを推奨するのは時期尚早と言えます。
なお、シナモンを継続摂取する場合は、一般に流通している中国産などのカシア(シナニッケイ)ではなく、スリランカ産のセイロンシナモンをお選びください。
その理由は、カシアにはクマリンが多く含まれており、継続摂取すると肝臓疾患を引き起こすおそれがあるからです。
カプセル入りのセイロンシナモンは食品医学研究所のネットショップ『自然豊かな大地の恵み』で販売しております。