ターメリック(秋ウコン)を摂ってもその健康効果は皆無に近い!
わが国では2人に1人が一生のうちで何らかのがんにかかり、4人に1人ががんで亡くなる状況で、がんは死因順位の第1位です。
がんの部位別の罹患率(2019)は、男性では①前立腺がん、②大腸がん、③胃がんの順で、女性では①乳がん、②大腸がん、③肺がんの順です。
がんは偶発的な遺伝子異常や遺伝子の突然変異といった要因も考えられますが、制御可能な主な危険因子は不健康なライフスタイルと不適切な食習慣および感染(肝炎ウイルス、ヒトパピローマウイルス、ヘリコバクターピロリなど)であり、これらは健康的な食事とライフスタイルを実践することで発がんリスクを最小限に抑えることができます。
そこで、部位別がんの具体的な危険因子と予防因子を表にしてみました。
この表を見るとお分かりのように、偶発的要因を除いた制御可能ながんの予防には身体活動のほか、野菜や果物を多めに摂ることが大事です。
野菜や果物には植物性の生理活性成分が多く含まれており、これらが抗酸化作用、抗炎症作用および抗がん作用などを発揮して、がんの発生→増殖→血管新生→浸潤→転移の各段階でがんの進行を抑制します。
一方、過度の喫煙、肥満、飲酒は様々な部位のがんを引き起こしやすく、家畜の赤身肉や加工肉は大腸がんのリスクを高めます。
また、牛乳やヨーグルトなどの乳製品は前立腺がんのリスクを高めますが、ヨーグルトには大腸ポリープの発生を防いで大腸がんを予防する働きがあります。
この表にはありませんが、がんの予防に役立つ野菜として積極的に摂って頂きたいのは、アブラナ科野菜(ブロッコリースプラウト、ブロッコリー、キャベツ、大根、小松菜など)に多いイソチオシアネート類(スルフォラファンなど)やネギ科野菜(ニンニク、ネギ、ニラなど)に多いスルフィド類や熟成黒ニンニクに多いS-アリルシステインおよび緑茶に多いカテキン類(エピガロカテキンガレートなど)で、これらにはがんの発生や増殖を抑える作用があり、様々な種類のがんの予防に効果があります。
一方、がん治療において化学療法(主に抗がん剤)や放射線療法の際に補助的に摂って頂きたい食材は、ターメリック、ジンジャー、ニゲラサティバの3種類のスパイスで、これらの主な生理活性物質が抗がん剤や放射線による治療効果を高める増感作用と、正常組織の傷害や悪心・嘔吐などの副作用を抑える保護作用というダブルのメリットがありますので、これらの療法を受ける予定の方や受けている方には、是非、これらの食材を試してみることをお薦めいたします。
詳しくは、次のリンク先でご覧になってください。
がんの化学療法や放射線療法の補助に有用な3種の食材