「軽く・強く・安全」をモットーに、デザイン性にも優れたオリジナルランドセルを販売（2/3）

娘の小学校入学を機にオリジナルランドセルの販売をスタート

「横山鞄」が岐阜市大宝町で創業したのは1961年。当初は卸売専門でした。店は大宝町から長住町、さらに名鉄岐阜駅の北東にある元町に移転。1977年には「有限会社ヨコヤマ」となり、7年後には市内に流通倉庫を設立します。

　ところが、創業者である父の幸和さんが1986年に逝去。当時、サラリーマンだった横山さんは自社に戻り、2代目社長となった母の良子さんを助けて働き始めます。いずれ卸だけでは成り立たなくなると感じていた横山さんは、1989年に横山鞄オリジナルランドセルの販売を開始。きっかけは長女の入学でした。
「そのころのランドセルはシワやキズができやすく、6年生になるころにはベルトも切れかけて表面はボロボロ。大マチは型が崩れてペッタンコになるというありさまでした。材料も値段も販売方法も気に入らず、わが子にそんなランドセルは使わせたくなかったのです」

　しかし、オリジナルへの道は想像以上に険しいものでした。かばん会社に勤めて独立した父と違って横山さんにその経験はありません。「ランドセルの素材から製造のノウハウなど知り合いの業者さんたちに聞きまくり、自分でも勉強しました」これまで卸売でやってきた母の良子さんとはケンカが絶えず、それでも軽くて丈夫で使いやすいランドセルをめざし、試行錯誤の日々が続きました。

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