「本物と健康を追求する家づくり」を理念に掲げ始動（2/3）

顧客の声に耳を傾けるヒアリング力を強みに、理想の生活をかなえる提案を導く

　山田さんは、35歳で創業するまでに、土木業やとび職人、現場管理、ハウスメーカーの営業などに従事。建築に関連するさまざまな実務に就く中で、徐々に独立したいという気持ちが強くなったと振り返ります。「もっとこうしたらいいのに、と思う場面が何度もあって。より良い仕事を体現するために会社を立ち上げました」

　ただ、世はまさにコロナ禍。加えて木材の値段が世界的に跳ね上がった「ウッドショック」も起き、楽なスタートではありませんでした。しかしながら、現在まで堅調に顧客の数を増やし、業績を伸ばしています。「特に宣伝活動に力を入れているわけではありません。ありがたいことに、お客さまが新しいお客さまを紹介してくださっているのです」

　理想のライフスタイルを実現するため、顧客の声にじっくりと耳を傾け、心情も推し量りながら提案することを心掛けている山田さん。自社の強みをヒアリング力にあると語り、「実家の離れを改築したい」という若い夫婦の、真の課題を見いだしことも。

　「ご夫婦と旦那さんのご両親が一緒に住む予定とのことでしたが、いつも打ち合わせの際に奥さんの表情が浮かないことが気掛かりでした。『本当は、二人だけのお住まいをご希望されているのではないですか』と尋ねてみると、奥さんは首を縦に振り、『同居がすごく不安で』と打ち明けてくれました。私から旦那さんにそれを説明したところ、リフォームの話はなくなりましたが、代わりに新居のご依頼をいただきました」

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