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教育者の立場から仕事と家庭の両立を支援し、誰もが幸せになれる社会の実現を目指す

長年にわたる小学校の教頭の経験を活かした家庭支援のプロ

須田敏男

長年にわたる小中学校の教頭の経験を活かした家庭教育支援のプロ 須田敏男さん
須田敏男さん子供への指導風景

#chapter1

子どもたちの暮らしを少しでも豊かにしたいと、教員引退を機に「家庭支援塾」を開校

 新型コロナの感染拡大により、一時期全国的に学校が休校する事態に陥りましたが、これをきっかけに改めて浮き彫りとなったのが「仕事と子育てを両立する難しさ」でした。いまや共働き世帯は当たり前の存在となっており、学校が休校となったことで、多くの子どもたちが大人のいない自宅で1日を過ごすという状況が生まれたのです。

 そんな周囲の支援を必要とする共働き世帯にとって心強い存在となっているのが、岐阜市上土居にある「ファミリーアシスト あすなろ教室」です。小学校の開校日の放課後から18時まで子どもを預けられる民間の教室ですが、単なる預かり施設とは違い、子どもたちが学力や生活力を身に付けられるよう、放課後の生活を自ら計画し、実行できるように導く「家庭支援塾」である点が大きな特徴です。

 あすなろ教室の代表を務める須田敏男さんは、岐阜大学教育学部を卒業後、公立小学校の教師となり、長年にわたり第一線で活躍し続けてきた生粋の教育者。たくさんの子どもたちと関わり、その成長を見守り続ける教師の仕事が好きで、「引退後も今までの経験を活かたい」と一念発起し、元教員である奥さんと共にあすなろ教室をオープンしました。

「私は長年、教頭という立場で学校と家庭の橋渡し役を担ってきました。子どもたちは社会的に弱い立場にあります。家庭内暴力やネグレクトなどの問題を少しでも解消し、家族の支えがなく困っている子どもたちを救いたいと考えています」と須田さんは話します。

#chapter2

NLP心理学のノウハウを活かして、親子の価値観をよりよい方向へと軌道修正していく

 2016年にオープンしたあすなろ教室は、子どもたちの自主性を重視しています。講師が決まったカリキュラムを与えるのではなく、放課後の生活を子どもたちが自ら計画し、自由に決めるのが基本スタイルです。「こうすることで、両親に頼らず自分で計画を立てて生活できる力が養われていきます。あすなろ教室を卒業し、中学生になった子の親御さんからは、『私たちが細かく言わなくても自分で行動できるようになり、本当に助かっています』と感謝されています」と須田さんは話します。

 須田さんの指導のベースになっているのが、「NLP心理学」の考え方です。NLPとは、Neuro Linguistic Programing(神経言語プログラミング)の略称で、別名「脳と心の取扱説明書」とも呼ばれる最新の心理学のこと。2008年からNLP心理学を学び始めた須田さんは、米国NLP協会認定の上位資格である「トレーナーアソシエイト」の有資格者でもあります。

「NLP心理学では、人々の脳は、言葉からイメージを作り、それが感情に繋がっていくと考えます。例えば、『山』という言葉からイメージするものは、多くの人が『富士山』だったとしても、岐阜市の方なら身近な『金華山』を思い浮かべるかもしれない。このように同じ言葉でも、過去の体験によってイメージが変わり、価値観も異なってくるわけです」(須田さん)。

 そのため、人の価値観は、過去の体験に強く影響を受けてしまいます。そこで須田さんは、NLP心理学の手法を用いることで、お子さんやその親たちの価値観をうまく塗り替えながら、よりよい暮らしを手にできるようにサポートしています。

須田敏男さん講演風景

#chapter3

職場や家庭で多くの悩みを抱えている、若手教員やビジネスパーソンの力にもなりたい

 今年は新たに4人の1年生が通い始めるなど、口コミを中心に徐々に利用者が増えているあすなろ教室ですが、須田さんが取り組みたい活動は、教室の運営だけに留まりません。「今後は、教育現場で多くの悩みを抱えている若手教師や、ワーク・ライフ・バランスがうまく取れずに苦しんでいるビジネスパーソンの支援なども行っていきたい」と抱負を語る須田さん。

 教育現場では今、多くのベテラン教師が引退時期を迎え、若い教師が現場で奮闘しています。ただ、世の中が働き方改革へと大きく舵を切るなか、教師が抱える業務はさらに増加し、過大なストレスを苦に退職や、自殺という最悪の事態に至るケースも少なくありません。「これまでの経験を活かし、こうした先生の手助けができれば」と須田さんは話します。

 民間企業の現場でも、仕事と家庭との両立で苦しんでいる人がたくさんいます。ただ、うまく両立できるかどうかは、あくまで一人ひとりの社員任せというケースがほとんどです。

「会社は短期的な業績に目を奪われ、社員の家庭生活は後回しにされがち。しかし実際には、会社の成長の根幹にかかわる部分であるはずです。ワーク・ライフ・バランスを実現するには、きちんとした知識やノウハウが必要です。今後は私の考え方や想いに共感してくださる方を増やし、活動の輪を全国へと広げることで、家庭生活に悩むたくさんの方を幅広く支援していければと思います」

(取材年月:2020年7月)

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須田敏男

長年にわたる小学校の教頭の経験を活かした家庭支援のプロ

須田敏男プロ

メンタルヘルスサポーター

あすなろ教室

 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

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