意思表示が自分の人生と家族を守る
「路線価は土地の値段ではない。地域の未来への期待値です。」
今年の福島県の路線価を見ると、平均では5年連続で上昇しました。
「よかったね」で終わる話ではありません。
見なければならないのは、
どこが上がり、どこが下がったのかです。
福島駅前、郡山駅前、いわき駅前。
人が集まる場所はさらに評価されました。
一方で会津若松は県内で唯一マイナス。
つまり、
人が集まる場所には、さらに投資が集まり、人が減る場所はさらに厳しくなる。
そんな時代に入ったということです。
私が一番気になるのは「駅前」ではありません。
駅前の地価が上がるのはニュースになります。
しかし、本当に見なければならないのは、
その駅から離れた住宅地や農地、山林です。
相続相談では、
「実家が売れない」
「親が亡くなっても誰も住まない」
「草刈りだけ毎年続く」
そんな相談が急増しています。
駅前が2%上がったことより、
地方の住宅地が10年後どうなるか。
こちらの方が、私たちの生活には何倍も影響します。
路線価が上がる=安心ではない
「福島市は2.5%上がったから安心ですね。」
そう考える人もいます。
しかし違います。
駅前が上がったからといって、
市内全体が上がっているわけではありません。
むしろ、
人気エリアだけが上がり、
その他との差が広がっています。
私はこれを
「二極化ではなく三極化」
と考えています。
価値が上がる土地
現状維持の土地
買い手が見つからない土地
路線価が上がったというニュースの裏側で、「使わない土地をどうするか」という悩みを抱える方は確実に増えているのです。
最近は、福島で相続土地国庫帰属制度のサポートについてのお問い合わせも多くいただくようになりました。
「国に土地を返せる制度があると聞いたが、自分も利用できるのだろうか。」
そんな相談から始まり、実際に不要となった農地について調査や隣接地の確認、境界や管理状況の整理などを一つひとつ進め、国庫帰属が認められた事例も複数あります。
もちろん、この制度は誰でも利用できるわけではありません。建物が建っている土地や管理に問題がある土地など、対象外となるケースも少なくありません。
それでも、「もう誰も使わない土地を次の世代へそのまま残さずに済んだ。」と安堵されるご家族の表情を見るたびに、この制度の大きな意義を感じています。
一方で、路線価は相続税の評価の基準ではありますが、実際に売れる価格とは異なります。
評価額はあるのに売れない。
税金や管理費だけがかかる。
この差が急速に広がっています。
「評価額」と「売れる価格」は違う
ここは誤解されやすいところです。
路線価は相続税の基準で、実際に売れる価格とは違います。
評価があるのに売れない。
税金だけかかる。
管理費だけかかる。
そんな土地は福島県にも数多く存在します。
だから私は、
「評価額ではなく出口価格を考えましょう」
と相談者にお伝えしています。
これから10年間で重要なのは
人口減少
金利上昇
空き家増加
この3つが同時に進みます。
すると、
土地を「持つこと」が資産になる時代から、
持ち方を考える時代
へ変わっていきます。
路線価は、過去の結果ではありません。
地域の未来に対する市場の評価です。
だからこそ、
「うちの実家はどうなるのか」
「子どもは引き継ぐのか」
「売るならいつなのか」
こうしたことを親が元気なうちに家族で話し合うことが、これからますます大切になります。


