空き家問題は「空き家になってから」始まるわけじゃない

長谷川健

長谷川健

テーマ:家族信託

空き家問題は「空き家になってから」では遅い


― 子世代が家を持った瞬間、将来の空き家化は始まっている ―


(福島/相続/空き家問題)


福島でも「空き家問題」という言葉はすっかり定着しました。
というよりも、身近に空き家が存在します。

ニュースでも、行政の広報でも、
「空き家をどうするか?」という議論は頻繁に聞きます。

しかし私は、相続の現場に立つ専門家として、
こう言い続けています。

空き家問題は、空き家になってから考えても遅い。

実は――
子どもが別に家を持った瞬間に、将来の空き家化はほぼ決まっているのです。

■ 空き家になる家には“前兆”がある

福島市でも郡山市でも、こういうケースが非常に多い。

・長男は市内に新築
・長女は県外で持ち家
・親は実家で二人暮らし

この瞬間に、すでに構図は完成しています。

「子どもが戻る可能性」は、ほぼゼロ。

にもかかわらず、多くの親御さんはこう言います。

「いざとなれば、誰かが住むべ。」

ここにあるのは、根拠のない安心感です。

でも、子世代はすでに
ローンを抱え、自分の生活基盤を築いている。

物理的にも、心理的にも、
“戻る前提”は崩れているのです。

■ 空き家問題の本質は「不動産」ではない

空き家問題は、不動産の問題ではありません。

本質は、親子の会話不足です。

・親は「迷惑をかけたくない」と言う
・子は「まだ元気だから大丈夫」と思う
・お互い遠慮して、話さない

そして10年後――

・親が認知症になる
・施設に入る
・相続が発生する

そのとき初めて、

「この家どうする?」
という話になる。

でもその頃には、

・荷物は山のよう
・名義はそのまま
・感情は絡まり
・売却も簡単ではない

“困る人”がはっきりしていないから、
誰も本気で動かなかった結果です。

■ 福島の相続は「争続」より「逃続」

令和の地方相続は、
兄弟で争うケースよりも、

「誰も引き受けない」

というケースの方が増えています。

私はこれを

“逃続(とうぞく)”

と呼んでいます。

負の不動産、管理できない土地、
思い出だけが詰まった実家。

誰も悪くないのに、
誰も引き取りたくない。

でも、最終的に困るのは誰か。

・片付ける人
・手続きする人
・固定資産税を払う人

生きている人です。

■ 空き家化は「相続対策」の問題

空き家問題は、
実は相続対策の初期段階の問題です。

子どもが家を持ったその瞬間に、

・将来この家はどうする?
・誰が管理する?
・売る前提?貸す前提?
・更地にする覚悟は?

この会話をしていれば、

10年後の景色はまったく違います。

しかし多くの家庭は、

「縁起でもない」
「まだ早い」

と言って、話さない。

その“優しさ”が、
未来の負担になることもあるのです。

■ 空き家になる前にやるべきこと

空き家になってからではなく、
空き家になる“前”にやることは3つ。

① 子世代が戻らない前提で考える
② 不動産の市場価値を冷静に知る
③ 親子で本音を共有する

親を責めてはいけません。

でも、
話さない子世代には責任がある。

相続は、亡くなった人の問題ではない。
生きている人の問題です。

■ 最後に

福島の空き家は、
いきなり増えたわけではありません。

静かに、確実に、
準備もなく放置された結果です。

空き家問題は「結果」。

本当の問題は、
親子会議不足問題です。

空き家になってから動くのではなく、
今、元気なうちに。

あなたの実家は、
「資産」になりますか?
それとも「負債」になりますか?

答えは、今の行動で決まります。

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Mybestpro Members

長谷川健
専門家

長谷川健(相続コンサルタント)

株式会社ハセプロ

シニアの想談窓口®を運営。遺言と生前契約と生命保険を活用し問題解決を行う。また、親の家の片づけ・空き家問題など、プロ集団を結成し、感動と共感をテーマにコンサルティングを行う。相談実績は6500件超。

長谷川健プロは福島放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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