企業が知っておきたい、試用期間後の本採用見送りのリスクと対応方法について
労働基準監督署とは何者？
「労働基準監督署」
皆さんは、どんな印象をお持ちでしょうか‥？
従業員の方が駆け込んで会社への不満をぶつけて大変なことになる・・
突然監督官が会社にやってきて、色んな書類を見せてと言ってはたくさん指摘される・・
あまりいい気分になることが浮かばないかもしれませんね。
特に、突然舞い込む「調査対象になったからこの書類を持って来てください」というお手紙も
なかなかストレスを感じさせるものでもあります。
では、労働基準監督署とは何者なのでしょうか？
労働基準監督署は、厚生労働省の第一線機関であり、全国にあります。労働基準監督署の内部組織は、大まかに
・労働基準法などの関係法令に関する各種届出の受付や、相談対応、監督指導を行う「方面」（監督課）
・機械や設備の設置に係る届出の審査や、職場の安全や健康の確保に関する技術的な指導を行う「安全衛生課」
・仕事に関する負傷などに対する労災保険給付などを行う「労災課」
・会計処理などを行う「業務課」
から構成されています。
その中でも、労働基準法は労働者を保護するための法律であるため、労働基準監督署は以下の業務を行いますが、実は会社がきちんと法律を遵守しているかどうかを調査する権限を持っていて、守られていなければ指導し、それでも改善されなかったり悪質だと判断すれば、送検してしまうこともできるわけです。
・事業場に対する臨検監督指導（立入り調査）
・労災の原因調査と再発防止対策の指導
・重大な法律違反に対する送検処分
・使用者に対する説明会の開催
・申告・相談への対応
労基署からはどういうことが指摘されるのか？
定期調査で散見される主な違反事項は、
□時間外労働に関する届出を労働基準監督署に届け出ない、または届け出た上限時間を上回って時間外労働（残業）を行わせたもの
□ 機械や設備などの安全基準を満たしていなかったもの
□ 時間外労働（残業）などに対して割増賃金を支払っていないもの（一部未払を含む）
などとなっています。
普段から何を気を付けたらよいの？
調査の際に準備する書類は下記を指示されることが多いです。
つまり、法律に則った形でこれらの書類を整え、法律に則った形で労務管理できていれば基本的によい、ということになります。
一般的に準備する書類は
労働者名簿／就業規則／雇用契約書（労働条件通知書）／賃金台帳（賃金明細書）
タイムカード（出勤簿）／時間外・休日労働に関する協定届／変形労働時間制などの労使協定
変形労働時間のシフト／有給休暇管理簿／健康診断個人票
ほか
総括安全衛生管理者の選任状況のわかる資料
安全委員会・衛生委員会の設置・運営状況のわかる資料
産業医の選任状況のわかる資料
など。
是正勧告されたらどうするの？
さてここが結論なのですが。この機会をチャンスととらえ、改善いたしましょう！
この指摘は、労働行政を司る労働基準監督署の監督官が法律に則り、御社の労務管理を監査してくれたことになるわけです。しかも無料で！！
監督官の監査はホワイト企業への最短ルートになります。アドバイスもしていただけることが多いので、同じ目線を向いて改善していただくパートナーとなっていただけるわけですね。
昨今の求職者は、ホワイト企業を選んで入社しています。
そして、指摘をきっかけとして適正な労務管理を行ったり離職率を下げるためにも、監督署監査は大変に役立つ機会なのでした。健全な企業の運営は、労働者の健康を守ることにもつながりますし、労働者から訴えられるリスクを低減することにも繋がるなど、いいことづくめです。
そして、監査の結果、どうしたら良いのか具体的な相談をしながら是正対応したい、今後の長期的な計画を共に検討するための伴走者がほしい、という皆さまは、ぜひ明るく働ける職場づくりと労務管理のプロである「浜通り社会保険労務士法人／鈴木慎太郎」へご相談ください！
