すぐキレる・落ち着かない本当の理由──“発達の空白化”を埋めると子どもは劇的に変わる

山崎憲治

山崎憲治

テーマ:子育て

「どうしていいのかわからない」から始まった——すぐキレる子が“社会脳”で変わった話

親子で安心して始められる運動あそび教室。 幼児の不安・発達のつまずきに寄り添い、笑顔と自信を育てます。


「この子、どうしたらいいんでしょうか…」
最初に相談を受けた日の、あのお母さんの疲れ切った表情を私は忘れられません。

その子は、
・すぐキレる
・癇癪がひどい
・言葉が荒い
・勉強に向かえない
・友だちとのトラブルが多い

いわゆる「すぐキレる子」「育てにくい子」と言われる典型的な状態でした。
家庭でも学校でもコントロールができず、保護者も教師も途方に暮れていました。

しかし彼は幼児期から私の運動プログラムに通い続け、少しずつ変わり始めました。
最初は指示も聞けず、怒鳴って帰ってしまう日もあった彼が、徐々に集中した表情でボールに向き合うようになり、年下の子にも優しく声をかけるようになったのです。



「すぐキレる子」の本当の原因——それは“脳の未発達”だった


最近「発達の空白化」という言葉が注目されています。
これは、子どもが本来経験を通して発達するはずの脳領域が、生活環境の変化(遊び不足・関わり不足)によって育たず、“空白のまま”成長してしまう現象です。

とくに 社会脳(前頭前野・扁桃体・側頭頭頂接合部など) が育たないと、
怒りのコントロールができない
集中できない
我慢ができない
共感が弱い
友だち関係が不安定
勉強に向かえない

こういった「すぐキレる」「育てにくい」と見える行動が現れます。

これは 性格でも育て方の問題でもありません。
ただ “脳が育つ体験が不足しているだけ” なのです。



社会脳を育てるのは“運動×関わり”の体験



彼が通っていたのは普通の運動教室ではなく、
「投げる・走る・協力する・競う・ぶつかり合う・感情を交わす」
といった、他者との“関わり”が中心の運動プログラムです。

脳科学では、こうした活動こそが社会脳を育てる最強の刺激とされています。

この活動が鍛える脳領域
前頭前野(自制心・集中・計画性)
扁桃体(感情処理)
側頭頭頂接合部(共感・社会性)

つまり、
「動く×感情が動く×他者と関わる」体験が、脳神経ネットワークを急速に発達させる のです。



そして迎えた変化——“すぐキレる子”は“優しくて頼れる子”へ

現在、彼は小学6年生。
• テストでは100点も取れるように
• 運動能力はトップレベル
• キレなくなり、穏やかなコミュニケーションが取れる
• クラスやチームでも信頼される存在に

かつて「育てにくい子」と言われていた彼は、
今では “育てたくなる子・一緒にいたくなる子” に変わりました。



「すぐキレる子」はダメな子ではない。脳が育てば必ず変わる


すぐキレる、我慢できない、協調性がない——
それは 性格ではなく「社会脳の未発達」という発達の空白化のサイン です。

そして脳は、正しい刺激を与えれば、
何歳からでも必ず発達します。


参考図書・資料

『発達障害もどき』成田奈緒子
『運動脳』アンデシュ・ハンセン
『社会的知性』ダニエル・ゴールマン






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山崎憲治
専門家

山崎憲治(教育アドバイザー)

firstball

独自開発の運動プログラムや学習プログラムで運動能力を伸し、やる気や集中力、脳の認知機能(理解・判断・記憶・思考等)を高めて学習することで学力も向上する文武両道実現。心身共に子どもの健やかな成長を育む。

山崎憲治プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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