スマホ依存の子どもが抱える“発達の空白化”と

山崎憲治

山崎憲治

テーマ:子育て

スマホ依存の子どもが抱える“発達の空白化”とは

〜脳科学・行動心理学で読み解く現代の育ちの危機〜



■ なぜ今、「スマホ依存」と「発達の空白化」が注目されているのか?





現代の子どもたちの発達において、
もっとも深刻で、しかし見過ごされがちな問題が**「スマホ依存による発達の空白化」**です。

「言葉が遅い」「集中できない」「すぐに疲れる」「社会性が育たない」
――このような悩みの背景には、スマートフォンやタブレットの過剰使用が脳と行動の発達にブレーキをかけている現実があります。



■ スマホ依存と発達の空白化の関係【脳科学的視点】


1. 前頭前野の発達が妨げられる


脳の中でも「考える・判断する・感情をコントロールする」機能を担う前頭前野は、幼児期〜学童期にかけて著しく発達します。
しかし、スマホによる即時的な刺激(光・音・動画)はこの部分の働きを抑制し、自己制御力の低下につながります。

→ 自己コントロール・注意力・計画性の未発達=空白脳

2. 原始的運動の不足が脳全体の発達を遅らせる

子どもの脳は「からだを動かすことで育つ」仕組みになっています。
走る・跳ぶ・投げる・転ぶといった全身運動は、小脳や前庭系、感覚統合系に刺激を与え、認知機能を高めます。
スマホ依存によってこの機会が奪われると、非認知能力や集中力、さらには体温調整機能まで未発達になります。



■ 行動心理学で見る「スマホ依存」の形成メカニズム


スマホ依存は、子どもが“だらしない”からではありません。
それは心理的報酬系(ドーパミン回路)による強い条件づけの結果です。
• 「待たなくていい」
• 「すぐに反応が返ってくる」
• 「脳がラクをできる」

これらの特性が、子どもの脳に強い快感=報酬を与え、現実世界の体験を「面倒」「退屈」と感じさせてしまうのです。

→ 運動や遊びに興味を失い、ますます発達の機会を喪失=悪循環



■ スマホ依存がもたらす“発達の空白”4つの領域






■ 対策:空白を埋め“発達スイッチ”を入れるには?


ポイントはたった1つ。
「五感とからだをフルに使った“原始的体験”を取り戻す」こと。

そのためのおススメの活動内容

• 運動をするー感覚統合と脳の可塑性を刺激
• 集団活動するー社会性・自律性・感情調整を育成
• “汗をかいて遊ぶー”体験で体温調節力・耐暑性を改善
• 成功体験ーその積み重ねで自己肯定感と挑戦力を引き出す
(S.パワー☆キッズプログラムから)


→ スマホに奪われた「育ちの時間」を、全力で取り戻せる。




■ 今すぐ始めるべき理由

• 「小1の壁」を乗り越える土台は、年長〜小学低学年期にしかつくれません
• 脳は経験によって変化する(可塑性)ため、今なら間に合う
• スマホ依存の影響は放置すれば年齢とともに固定化され、自己肯定感や学習態度にも影を落とします



【まとめ】

スマホの時間が、子どもから「育ちの時間」を奪っている。

だからこそ、
今こそ、からだと脳を同時に育てる「発達スイッチ」を入れる時です。


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参考資料

◆ 脳科学・発達心理学
1. 成田奈緒子(2020)『発達障害の子どもを伸ばす脳育てレッスン』講談社
 スマホ依存と発達脳の可塑性について、医学・教育の観点から詳述。
2. 久保田競・久保田カヨ子(2009)『子どもの脳を育てる』講談社
 運動と前頭前野の発達、原始的な体験の重要性を脳科学的に解説。
3. 山口創(2018)『子どもの脳は肌にある』光文社新書
 五感・皮膚感覚・身体体験が脳発達に与える影響について解説。
4. ダニエル・J・シーゲル(2014)『マインドフル・ブレイン』岩崎学術出版社
 スクリーン依存が脳神経ネットワーク形成に与える影響を論じる。



◆ スマホ・デジタル依存に関する研究
5. 日本小児科医会(2019)『子どもとメディア』ガイドライン
 https://www.jpa-web.org/dl/pub/media_guideline.pdf
 スクリーンタイムが子どもの発達に及ぼす影響を警告。
6. WHO(2019)「乳幼児の運動・座位・睡眠ガイドライン」
 https://www.who.int/news-room/detail/24-04-2019
 2歳未満の子どもに対する画面使用の制限を明記。
7. 厚生労働省(2020)「スマホ依存傾向と健康」調査研究報告書
 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000597261.pdf
8. 金沢大学・井上祐紀教授(2017)「小児の脳とスマートフォン使用」研究報告
 スマホ使用と前頭前野の容積・機能変化の相関を示す。



◆ 感覚統合・行動心理・教育現場の知見
9. 中村和彦(2021)『発達障害の子を伸ばす感覚統合あそび』ナツメ社
 体験不足(空白)と感覚統合の乱れが学習・行動に与える影響を解説。
10. 文部科学省(2023)「子供の体力・運動能力調査」
 https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/hakusho/html/sports2021/index.html
 デジタル依存・外遊び不足による運動能力低下の現状を提示。
11. ユニセフ(2020)『世界子ども幸福度調査』
 日本の子どもが「身体的健康は1位」「精神的幸福度はワースト2位」
 → スマホ依存と非認知能力の未発達が背景とされる。



◆ 神経生理・報酬系に関する基礎研究
12. Bavelier et al. (2010). “Children, Wired: For Better and for Worse.” Neuron
 https://doi.org/10.1016/j.neuron.2010.08.035
 スマホゲームとドーパミン報酬系の関係に関する神経科学的研究。
13. Greenfield, P. M. (2014). “Mind and Media: The Effects of Television, Video Games, and Computers.”
 情報過多と脳の報酬・注意・記憶処理の変化を心理実験で解明。

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山崎憲治
専門家

山崎憲治(教育アドバイザー)

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独自開発の運動プログラムや学習プログラムで運動能力を伸し、やる気や集中力、脳の認知機能(理解・判断・記憶・思考等)を高めて学習することで学力も向上する文武両道実現。心身共に子どもの健やかな成長を育む。

山崎憲治プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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