第5回 なぜ日本の子どもは幸福度が低いのか?──歴史と脳科学から読み解く“発達の空白化”

山崎憲治

山崎憲治

テーマ:子育て

「二刀流・大谷〇平選手の寄贈グローブが教えてくれた“投げる力”で子どもの未来を育てる方法」

第5回 なぜ日本の子どもは幸福度が低いのか?──歴史と脳科学から読み解く“発達の空白化”

ユニセフの国際調査(2020年)によれば、日本の子どもたちの精神的幸福度は38か国中32位と、極めて低い評価を受けています。この“幸福度の低さ”は、経済状況や学力成績の高さとは反比例しており、物質的には恵まれているにもかかわらず、心の充足感や自尊感情、社会とのつながりに欠ける子どもが増えていることを意味します。


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3歳でも片手で握って投げられる顔に当たっても大丈夫な運動能力開発ボール



■ 人類史に刻まれた“投げる力”の重要性

ホモ・サピエンスが生存競争を勝ち抜いてきた大きな要因の一つが“遠くに正確に物を投げる力”の獲得でした。この投擲能力は、単に狩猟の手段にとどまらず、空間認知・判断力・感情制御・筋肉協調といった高度な脳機能を統合する人間固有の進化でした。つまり“投げる”という行為こそが、前頭前野、小脳、感覚統合を同時に活性化させ、自己制御力や社会性の発達を促す「生命活動獲得能力序列一位」の営みだったのです。

■ 投げる機会を奪われた現代の子どもたち

現代の日本社会では、公園でのボール遊びの禁止、学校での投力測定の廃止、家庭でのキャッチボール文化の消滅などにより、子どもたちは“投げる経験”そのものを失っています(生命活動獲得能力序列一位の投力を現代では最下位と軽視)。これが脳と心の“スイッチ”を入れる機会を奪い、感情の統合、他者との信頼構築、自己肯定感といった重要な非認知能力が発達しないまま大人になってしまう。これが「発達の空白化」であり、やがて「逆行現象(癇癪、依存、暴言など)」として表面化するのです。

■ 発達の空白化がもたらす問題行動と逆行現象

発達の空白化は、子ども期には以下のような問題行動として現れます:
- 不登校
- 癇癪やパニック
- 集団活動への拒否
- 過度な甘え・依存
- 攻撃性・暴言・いじめ
これらは「未発達な自己制御・感情統合・対人スキル」の現れです。
また、大人になっても解消されない場合、次のような“逆行現象”へと発展します:
(我慢できないカラダだけ成長した子ども大人化)

- ストーカー行為、モラハラ、DV
- SNSでの誹謗中傷や過剰反応
- 煽り運転や公共の場での癇癪
- 恋愛・結婚・出産への忌避(社会的成熟の回避)
- 引きこもり・依存症・ニート状態
これらはすべて、“スイッチが入らないまま成長した脳”のSOSなのです。

■ ユニセフ調査との一致点と背景の論理構造

ユニセフ調査では、日本の子どもたちの精神的課題として「自己肯定感の低さ」「感情コントロールの未発達」「人間関係の希薄さ」が挙げられています。これらはすべて、“投げる・受け止められる・悔しがる・笑われる・信頼される”という本能的な体験の中で自然と身につく力です。つまり、現代の社会がこの本質的な発達機会を奪ったことこそが、幸福度低下の根本原因だと論理的に説明できるのです。

■ 改善策と未来への提言:すべてはおもいきり投げることから

今必要なのは、勉強や叱責ではなく、「本能的発達のスイッチ」を入れる原始的体験の回復です。具体的には:
- 保育・教育現場での投げる体験
- 家庭でのキャッチボールや遊びの再導入
- 地域社会での安全な“投げ合い空間”の創出
投げるという行為は、発達の穴を埋め、逆行現象を止め、幸福感の回復につながります。(スイッチが入る)

■ 結論:おもいきり投げる!がすべてを変える

子どもたちの脳と心に、再び火を灯すのは“投げる”という原始的かつ本質的な行動です。スイッチの入らない脳、埋まらない空白、満たされない心──それらを変えるのは、たったおもいきり投げる1球からもしれません。




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【参考資料】

発達・脳科学・心理学の視点から
1. 『子どもの脳を傷つける親たち』
 友田明美(医学博士・小児精神科医)/NHK出版
 → 前頭前野・扁桃体・小脳など、発達初期における脳への影響を実証的に解説。
2. 『脳を鍛えるには運動しかない』
 ジョン・J・レイティ(ハーバード大学医学部)/NHK出版
 → 投げる・走るなどの運動が脳機能(感情制御・集中力・自己効力感)に与える影響を科学的に解明。
3. 『子どもの非認知能力を育てる』
 小田切紀子(発達心理学者)/PHP研究所
 → 投げる・ぶつかる・悔しがるといった体験が、非認知能力(自制心・共感・挑戦力)を育てる過程を紹介。
4. 『子どもが育つ“場”とは何か』
 汐見稔幸(教育学者)/太郎次郎社エディタス
 → 体験不足と空間の喪失が育ちに与える負の影響、教育環境の在り方を提言。



■ 社会構造・逆行現象・少子化との関連
5. 『暴力の連鎖』
 モニーク・マローン/明石書店
 → 発達未成熟が家庭内暴力・ストーカー・依存といった“逆行現象”にどう繋がるかを事例とともに論じる。
6. 『子どもの発達障害と「境界知能」』
 杉山登志郎(児童精神科医)/講談社現代新書
 → 境界知能や発達グレーゾーンの背景にある「発達の空白」の見逃されやすさを警告。
7. 『子どもの育ちと少子化の危機』
 内田良(教育社会学者)/岩波ブックレット
 → 社会的不適応の連鎖と、子育て回避・少子化との構造的なつながりを論考。



■ 国際データ・公式報告
8. 『Worlds of Influence: Understanding What Shapes Child Well-being in Rich Countries』
 ユニセフ(UNICEF, 2020)
 → 日本の精神的幸福度32位の根拠と、背景にある“非認知的支援の欠如”の重要性を示す。
9. 『児童生徒の問題行動・不登校等調査』
 文部科学省(年次報告書)
 → 問題行動・不登校・いじめ・ひきこもりなど、発達の空白と連動する日本の実態を数値で把握可能。

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山崎憲治
専門家

山崎憲治(教育アドバイザー)

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独自開発の運動プログラムや学習プログラムで運動能力を伸し、やる気や集中力、脳の認知機能(理解・判断・記憶・思考等)を高めて学習することで学力も向上する文武両道実現。心身共に子どもの健やかな成長を育む。

山崎憲治プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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