「キレやすい子どもが多くなる理由|“投げる力”の低下が社会を壊す?」

山崎憲治

山崎憲治

テーマ:子育て

「キレやすい子どもが多くなる理由|“投げる力”の低下が社会を壊す?」



生命活動獲得運動能力序列1位の“投げる力=投力”→最下位の今(軽視)


近年、感情を抑えられない子どもや、突然キレてしまう大人の増加が深刻な社会問題となっています。実はこの「衝動性」や「不安定な行動」の背景に、意外にも**“投げる力=投力”の低下**があることをご存じでしょうか?

投げるという動作には、前頭前野(感情の制御)・小脳(バランスと集中)・視覚認知・タイミング調整・筋力コントロールなど、脳全体を統合的に使う働きがあります。これを繰り返すことで、「我慢」「加減」「判断」「切り替え」などの非認知能力=生きる力の土台が自然に育つのです。

しかし今、公園ではボール遊びが禁止され、家庭ではスマホやゲームが主役。結果として、“投げる”という本能的な調整運動の機会が失われています。

その影響は家庭だけでなく、学校・職場・社会全体に波及しています。キレやすい子、場にそぐわない行動をとる若者、衝動を抑えられない大人──。それらは脳の統合発達が未熟なまま成長した“投力未発達世代”の表れとも言えるのです。

そしてこうした行動の代償は、医療費・教育支援・福祉対応といった「社会的コスト」の増加につながっています。
投げる力の低下は、単なる体育の問題ではなく、国家的リスクになりつつあるのです。

今、必要なのは「教える」よりもおもいきり「投げさせる」こと。
投力の回復=感情コントロール力の再構築こそが、子どもの未来と社会の安定を守るカギなのです。




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【参考資料】

『脳を鍛えるには運動しかない!』
• 著者:ジョン・J・レイティ(John J. Ratey, MD)
• 出版社:NHK出版
• 要点:有酸素運動や複合的な身体活動が前頭前野の活性化を促し、衝動性の抑制・情緒安定・注意持続力の改善に有効。特に子ども・青年期の運動経験が脳の健全な発達に不可欠。



2. 『感情的にならない子どもの育て方』
• 著者:友田 明美(医学博士・小児精神科医・福井大学教授)
• 出版社:NHK出版
• 要点:情動制御の基盤である前頭前野は、運動・感覚刺激によって成長し、キレやすさ・衝動性の改善に寄与。家庭や地域環境の影響も強調。



3. 『非認知能力を育てる』
• 著者:ポール・タフ(Paul Tough)
• 出版社:英治出版
• 要点:自己制御力・感情調整・やり抜く力といった非認知能力は、教室よりも遊び・運動・挑戦から育まれ、将来の学力・収入・社会適応に直結する。



4. 『感覚統合で子どもが変わる』
• 著者:藤原 里美(作業療法士)
• 出版社:合同出版
• 要点:身体を通した多感覚体験の欠如が、衝動性や情緒の不安定さにつながる。発達障害傾向のある子どもに対する支援の実例も豊富に掲載。



5. 『人間の発達と感情のコントロール』
• 著者:岡田 尊司(精神科医・作家)
• 出版社:筑摩書房
• 要点:前頭前野の未発達は、衝動的・社会不適応な行動の温床になる。幼少期の情動経験・身体運動の重要性を多角的に論じている。

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山崎憲治
専門家

山崎憲治(教育アドバイザー)

firstball

独自開発の運動プログラムや学習プログラムで運動能力を伸し、やる気や集中力、脳の認知機能(理解・判断・記憶・思考等)を高めて学習することで学力も向上する文武両道実現。心身共に子どもの健やかな成長を育む。

山崎憲治プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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