ボールを投げられない日本の子どもたちに起きていること！投力の低下がもたらす“脳と行動”の逆行現象とは

「ボールを投げられない日本の子どもたちに起きていること｜投力の低下がもたらす“脳と行動”の逆行現象とは」

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　　スーパーハードドッジで投力向上と併せてセルフコントロールも上達


進む逆行現象

今の子どもたちは、なぜこんなに感情を爆発させやすく、集中できず、挑戦する前に心が折れてしまうのか――。
その背景にあるのが、「投げる力＝投力」の極端な低下です。

人類にとって“投げる”ことは、狩猟時代から命を守り、脳を進化させてきた中枢機能でした。(生きる力の源)
ボールを投げる動作は、前頭前野（感情抑制）・小脳（バランス）・視覚・体幹・空間認知・自己効力感を同時に鍛える“脳の総合トレーニング”です。
しかし現在、都市部の公園では「ボール遊び禁止」が常態化し、家庭でも投げる機会は激減。
その結果として、投力＝人間性を支える最重要能力が、今や“序列最下位”にまで軽視されてしまっているのです。

これは単なる運動不足ではありません。
キレる・無気力・学力不振・ゲーム依存・対人トラブルといった現代の問題行動は、
投げる・捕るといった“脳と身体をつなぐ経験の欠如”＝発達の逆行現象として起きているのです。（反動）

今こそ私たちは、「教える」より先に「投げさせる」ことを思い出す必要があります。
投げる力は、知識では埋まらない“生きる土台”そのもの。
遊びの中の原始的な体験こそ、現代の教育と発達支援の原点です。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

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【参考資料】


■ 1. 投げる動作の人類進化・脳発達との関係

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● 『Throwing in Human Evolution』
• 著者：Neil T. Roach et al.
• 掲載誌：Science, Vol. 340, Issue 6131, 2013 • 内容：人類の投擲能力が進化上の飛躍に与えた影響を明示し、肩・体幹・神経系の統合が「投力」獲得に寄与したと科学的に解説。

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● 『The Story of the Human Body（邦題：人体600万年史）』
• 著者：Daniel E. Lieberman（ハーバード大学人類進化生物学教授）
• 出版社：早川書房
• 内容：「投げる動作」が人間固有の運動であり、脳と身体の協調進化を促した中心機能であると記述。

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■ 2. 運動と脳発達・感情調整・学力の関連

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● 『脳を鍛えるには運動しかない！』
• 著者：ジョン・J・レイティ（Harvard医学大学院・精神科教授）
• 出版社：NHK出版
• 内容：有酸素運動やルールある遊びが、前頭前野・小脳・海馬を活性化させ、感情コントロール・注意持続・ストレス耐性を高めると明言。

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● 『子どもの脳を伸ばす運動遊び』
• 著者：久保田 競（京都大学名誉教授・医学博士）／久保田カヨ子
• 出版社：講談社
• 内容：投げる・取る・待つなどの動作を通じて前頭前野や視覚野を刺激し、「賢い脳」が育つと幼児教育の実践例とともに紹介。

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● 『感覚統合で子どもが変わる』
• 著者：藤原 里美（作業療法士）
• 出版社：合同出版
• 内容：投球・回避・ジャンプなどの遊びが、感覚統合と脳の神経回路の統合に効果的であり、発達障害・注意欠如のある子にも有効と紹介。

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■ 3. 問題行動・非認知能力と身体活動の関係

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● 『非認知能力を育てる』
• 著者：ポール・タフ（Paul Tough）
• 出版社：英治出版
• 内容：「やり抜く力」「感情調整」「自己効力感」は、遊び・身体活動・失敗体験の積み重ねにより育まれると実証研究に基づき解説。

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● 『攻撃性と教育―攻撃行動をどう活かすか』
• 著者：岡本 夏木（教育心理学者）
• 出版社：金子書房
• 内容：「当てる」「ぶつける」遊びを社会的に受容し、感情を昇華させるプロセスが情緒の安定と対人スキルにつながると述べる。

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