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修繕工事と専門職人の高齢化 ~熟練した技術者の高齢化~

清野隆

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先日、知人にお会いした時、「最近、熟練した専門職人が高齢化により仕事が回らない。」と漏らしていました。その知人はサッシ等の鋼製建具店を営んでおり、仕事を受注したとしても納期が中々決まらないとの事でした。
マンションの修繕対象箇所は、多岐に渡り以下のような修繕工事と職人が挙げられます。
・共用灯、インターホン、エレベーターの修繕工事・・・電気工事職人
・給水、排水管の修繕・・・配管工事職人
・躯体の改修工事(コンクリート面のひび割れ補修)・・・左官職人
・タイルの張替・・・タイル職人
・屋上等の防水工事・・・防水職人
・塗装面の改修工事・・・塗装職人
・鋼製建具改修工事・・・専門職人
・木部の工事・・・大工職人
・共用廊下の塩ビシート張替・・・専門職人
・共用廊下、エントランス等天井のケイカル板張替・・・専門職人
・消防設備・・・電気工事職人、配管工事職人
マンション修繕の中で、最も知られているのが「大規模修繕」ですが、大規模修繕においては上記に挙げた複数の職人が協力しあって竣工に向けて作業を行って行きます。しかし、職人が不足した場合、一人の職人が慣れない複数の作業を掛け持ちしたりして仕上がりがよくない場合があります。私が実際に遭遇したのは以下の事案でした。
・塗装職人が防水工事(ウレタン塗布)を行った。その結果、ウレタン塗膜が薄くなり、工事後、塗膜が短期間で剥がれてきた。塗装職人は、塗料の塗膜面の仕上がりを重視して仕上がりを行うため、ウレタンも仕上がりをよくするよう塗膜が薄くなった事が原因でした。防水職人は、「防水」を重視して仕事を行うからウレタンを厚く塗布するため、塗膜面がやや波を打つことがあるが、塗膜は短期間で剥がれることなく長持ちする。つまり、「餅は餅屋」であり「パン」を「餅屋」に作らせてはならないという事だと思います。
現在、少子高齢化が社会問題となっていますが、この問題は社会生活上、多数の場面に影響を与えていることが実感できます。
管理組合では、役員の成り手不足が問題になっておりますが、建設業界は専門職人の高齢化と後継者不足が問題となっており、やがてマンション修繕工事に影響が出ることが予測できます。
上記の問題は、後継者の育成が当面の解決手段と考えます。

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専門家

清野隆(マンション管理士)

マンション管理トータルサポート

マンションでの快適な暮らしを続けるためには、建物、設備、装置の修繕、管理規約の改正や各種相談など、多方面での適切なサポートが必要です。豊富な経験と知識(資格)で、諸問題の解決に向けた迅速な対応が強み。

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