不祥事を国土交通省へ報告していないマンション管理会社は存在する ~行政処分を一度も受けた事がないというアピールポイントは信じるべきか~
私のマンションは、壱番館、弐番館があり管理組合は別々となっています。車路の共有という関係において、団地型管理組合を構成するのですが、分譲主(現在、会社は消滅)、分譲主の系列会社である管理会社の「無知」により、単棟型管理組合となっております。
先日、数年前の壱番館の大規模修繕の施工にあたった改修会社の元社員より、当時、管理会社の社員に無理難題を言われ困ったという話を聞きました。
この大規模修繕は、設計会社に施工管理を委託した「施工管理方式」で行われたとのことです。この施工管理方式は、管理者(建築士)が改修箇所、仮設足場等の数量や仕様を決め、この数量、仕様に基づいて施工会社が見積書を作成します。管理者は、数社に見積書を提出させ、その後に、管理者と管理組合で協議し施工会社を決定します。
壱番館管理組合の協議の結果、上記の改修会社に決定したようです。改修会社の元社員は大規模修繕を受注した後、現地調査を行ったところ、足場面積に疑念があることを管理会社担当者に進言しましたが、管理会社担当者は、「設計会社の調査に間違いはない。貴方達は、設計会社の数量、仕様通りに施工を行えばいいのだ。」と返答したとのことです。改修会社は仕方なく仮設工事に着工したところ、疑念通りに設計会社の足場面積の数量が不足していたとのことでした。直ちに追加の足場を取り寄せた為、仮設工事の予定工期を超過したようです。その後の工事においても、その他数量ミスが続出し大変困窮しながら工事を続けた結果、工事完了が遅れたとのことでした。
管理会社担当者が、足場数量について設計会社へ再調査の依頼を怠ったということが工事完了の遅延を招いたにもかかわらず、管理会社社員は、「工事完了が遅延した直接の原因は、改修会社が事前調査を怠ったことです。」と管理組合に説明し、全ての責任を改修会社に押し付け、さらに、「改修会社は管理組合へ遅延損害金を支払え」と請求したとのことです。
管理会社担当者は、自己の過失を隠しつつ、改修会社にすべての責任を押し付け、さらに管理組合への自己顕示として「遅延損害金」を要求したのです。正に、「パワーハラスメント」と言うべき行為なのです。
この管理会社担当者は、他の協力業者に対しても、「タダ働き」をさせ、係る費用を支払わなかったりしているという噂も聞きました。管理会社と協力業者に主従関係を築きたがるようです。このようなタイプの社員は、「協力業者」と呼ばずに「下請け業者」と呼びたがります。
管理業務は、協力業者の協力なしに管理組合に対して質の良い対応はできません。管理業務全てを管理会社独自で行うことはできません。だから、「下請け業者」ではなく「協力業者」なのです。主従関係はあってはならないのです。協力業者へパワーハラスメントを行っていれば、やがて、業者は管理会社から離れていきます。業者が離れていけば、管理組合の要望にタイムリーに応えられなくなっていきます。そして、対応が悪い管理会社というレッテルを貼られ管理委託契約を解除されると思います。
この管理会社は、小倉南区湯川新町のマンション、小倉北区日明のマンションの管理委託契約を解除されています。思うに、協力業者へのパワーハラスメントから協力業者が離れていったため、管理組合に対し適時に対応できず、管理組合がこの管理会社から離れていったのかも知れません。
これは、管理会社の協力業者へのパワーハラスメントの一例ですが、北九州市で長くマンション管理を行っている管理会社の部長クラスの方が、執拗に協力業者へ「リベート(謝礼金)」を要求し、私腹を肥やそうとしていたという噂も聞いたことがあります。この管理会社は、ここ数年管理棟数が増えておらず、むしろ減少しているという珍しい管理会社です。企業であれば営業努力で増加していくのが当たり前の話なのですが、本当に不思議な管理会社です。
この2つの管理会社は自浄努力を行わなければ、立ち直ることはないでしょう。ただ不幸なのは、この2つの管理会社の実態を知らずに管理業務を委託している管理組合です。
管理会社のトップは、社員の動きに目を光らせ腐敗している社員を教育、または排除するべきと思います。国土交通省は、「モラルのない管理会社を排除したいと考えているので、不祥事の情報は逐次報告して欲しい」と言っています。
マンション管理に係るすべての人たちが質の良い仕事をし、管理組合の為にお役に立ち、マンションに住む人たちが、いつまでも快適なマンションライフを謳歌し続けていただきたいと思います