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清野隆

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清野隆(せいのたかし) / マンション管理士

マンション管理トータルサポート

コラム

パワーハラスメントと管理会社

2017年8月2日

コラムカテゴリ:住宅・建物

マンション管理会社には、マンション分譲会社の系列会社が多いのではないでしょうか。この場合、分譲会社と管理会社の間には、主従関係があってはならないのですが、「誰のおかげで仕事があると思っているのだ。」などと言って、分譲会社役員や社員が管理会社社員へ圧力をかけているようなケースが一部のグループ会社で行われているようです。つまり、パワーハラスメントが行われているようなのです。現場では、抽象的な表現ですが、分譲会社社員が管理会社社員に「火中の栗」を拾わせているような話を聞いた事があります。
典型的な例は、分譲会社は、購入されたお客様に対し建物に関する「アフターサービス」を行わなければならないのですが、この「アフターサービス」の申出は、言わば「クレーム」のような形で訴えてきます。「クレーム」なので、お客様は当然、「怒り」の状態で、誰もが対応を嫌がると思います。このようなケースの場合、分譲会社のアフターサービス担当者は、いろいろな理由をつけて管理会社社員に一次対応をさせているようで、言わばこの一次対応を管理会社の社員にさせている状況こそが、「火中の栗」を拾わせているように思えます。グループ代表者が、「管理会社とは分譲会社の盾である。」と公言しているとんでもない話も聞いた事があります。つまり、分譲会社が組織ぐるみで管理会社社員にパワーハラスメントを行っているようなのです。さらに、グループ代表者は「パワーハラスメントではない。指導なのだ。」と如何にも「パワーハラスメント」を「正当化・合法化」しようと公言しているのも事実のようです。
分譲会社社員は、アフターサービスの対応に関するクレームであるにもかかわらず、「管理会社の社員による対応が悪いから、お客様はお怒りなのです。」と社内的に報告し、すべての非を管理会社の社員に押し付け、逆に、お客様からの賞賛であれば、分譲会社の社員は、「我々の対応が良かったから、お客様に感謝されました。管理会社の悪態の尻拭いをしてきました。」と、平然と虚偽の報告を行った後、報告を受けたグループ代表者は、分譲会社社員を称え、管理会社社員を叱責しているようです。
第一線で管理組合に接している担当者の対応が悪い場合、一概にその担当者の資質が悪いとは言えないケースがあります。担当者もサラリーマンですので、会社の後押しなしに良い対応ができないことがあります。ましてや、グループの資質が悪い場合は、管理組合にとって有害な結果を招くことも予想されます。
グループ会社が「助け合い」をしながら、管理組合に対し有益な対応を考え実行する姿勢であるか、グループ会社が「手柄の取り合い、責任のなすりつけ合い」をし、管理組合の利益より、社員個人の保身を優先させている体質なのか、入居後のマンションライフの満足度は変わってくると思います。

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