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ネズミの相談と管理組合運営とマンション管理士の役割

清野隆

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イソップ寓話に「ネズミの相談」という話があります。あるいは、「猫の首に鈴」という慣用句にもなっています。内容は、「ネズミたちは、いつも猫にひどい目にあわされていて、猫の恐怖から逃れる方法を決める会議を行いました。ネズミたちは、少なくとも逃げる時間を確保するために猫がいつやってくるか知る方法を見つけたいと思いました。たくさんの方法が協議されましたが、どれも十分良い方法ではありませんでしたが、一匹のネズミが『猫が来たらすぐにわかって逃げられるよう、猫の首に鈴をつけたらいいと思う。』と発言しました。この発言を聞いた他のネズミ達は、名案だと絶賛しました。この歓喜の中、一匹のネズミが「この案は素晴らしいが、じゃあ誰が猫の首に鈴をつけるのか。」と尋ねると、どのネズミも尻込みしてしまいその役を買って出る者はいませんでした。」ということです。つまり、猫の首に鈴をつけるなど、誰も危険を冒したくないのです。
このイソップ寓話の「ネズミの相談」と管理組合運営は、よく似たところがあります。意見は言うけれど、誰が実行するのかという話題に移った途端、活発な議論から急に静かになります。当然、発言していた組合員の方も寡黙になります。「言うは易し」なのです。また、「自由に意見を言う」事を「好き勝手に意見を言う」事と勘違いしている方も多いのではないでしょうか。
「自由に意見を言う。」とは、当然にして自分の言葉に責任を負う事であり、「好き勝手に意見を言う。」とは、言わば「言いたい放題」で何ら責任を負わないことだと思います。発言者に対し「その案件について遂行をお願いできますか。」と尋ねると、「忙しいから。」「この案件に詳しい方にお願いしたらいい。」と言い訳をして逃げ回り、他の人に負担を押し付けようとしています。
但し、「ネズミの相談」と「管理組合運営」の大きな違いは、必ずといっていいほど、案件の実行を行わざるを得ない役割の方が登場する事なのです。その人は、いわゆる「お人好し」の方なのです。この「お人好し」の方は、四苦八苦しながら案件を実行しようと奔走します。そして、結果を出したとしても感謝されることもなく「できて当たり前」のような風潮に変化し、その先、どんな提案についても「執行役」をさせられていきます。
マンション管理士に相談に来られる方のほとんどは、前述した「執行役」の方で、かなり、困窮した状況なのです。一方で、誰にも相談できずに一人で思い悩んでいる「執行役」の方も多いのではないでしょうか。
マンション管理士は、マンション管理に関する専門家であり管理組合の立場で支援を行います。「ネズミの相談」に例えれば、どのようにしたら、安全に猫の首に鈴を付けられるか、または、猫の恐怖から逃れるその他の方法を考え提案します。その結果、「マンションに快適に暮らし続ける」事ができるようになります。
管理組合運営に行き詰まったら、「マンション管理士」の活用を思い出して下さい。

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専門家

清野隆(マンション管理士)

マンション管理トータルサポート

マンションでの快適な暮らしを続けるためには、建物、設備、装置の修繕、管理規約の改正や各種相談など、多方面での適切なサポートが必要です。豊富な経験と知識(資格)で、諸問題の解決に向けた迅速な対応が強み。

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