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佐々木丘プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

【激闘第2弾】〜壱岐の朝に吹く風〜

佐々木丘

佐々木丘

テーマ:壱岐ウルトラマラソン2025

〜壱岐の朝に吹く風〜

夜明け前の壱岐。雨と雷鳴が交錯する静かな時間に、
私は100kmという祈りの道を走り出そうとしていた。
それは単なるマラソンではなく、
心と自然がひとつに戻るための再生の儀式だった。

ひのきの香りのように清らかな空気が、
心の奥に眠る感情を静かに揺らす。
健康とは数字ではなく、呼吸の深さに宿るもの。
感謝とは、祈りとともに立ちのぼる光の粒。
走りながら、私はそれを思い出していった。

【第一章】嵐の祓い、祈りのはじまり

午前3時。
宿の窓の外に光る稲妻。音を鳴らさない雷が、
壱岐の空を不気味に照らしていた。
予報では夜明けと同時に雨。
それでも、心のどこかでわかっていた。
この嵐こそが、
心の曇りを祓うための導きなのだと。

午前5時、号砲。
空はまだ暗く、
雷鳴の光が一瞬ごとに海面を照らす。
冷たい雨粒が頬に触れ、身体は濡れていく。
それでも前へ進む。
濡れることを恐れず、ただ呼吸を整えた。

ひのきの森が放つ香りは、
悪いものを寄せつけず、空気を清める。
人もまた、恐れを受け入れた瞬間に
心が祓われ、健康へと還っていく。
嵐の中で走ることは、自分自身を清める祈りそのものだった。

【第二章】光の再生とひのきの香り

六時を過ぎるころ、
東の空がゆっくりと白みはじめた。
濡れたアスファルトが光を映し、
壱岐の島全体が朝日を浴びて輝いていく。

嵐が去ったあとの静けさ。
それは、ひのきの森
吹き抜ける風のようだった。
何も語らず、ただ香りで整えてくれる。
心の奥から、感謝の粒が立ちのぼる。

ひのきの香りには、
人を癒し、健康を取り戻す力がある。
それは決して派手ではなく、
静かな調和の中で生命を育むエネルギー。
壱岐の光と風の中で、
私はその力に包まれていた。

【第三章】海と声援のあいだで

コースは北部、勝本の漁港へ。
波と足音だけが響く時間。
風の香りに混じって、
ひのきのような安らぎが漂う。

やがて路地から届く「頑張れ〜」の声。
その一言が、
まるで香りの粒のように心に沁みた。
走ることは、孤独ではない。
人の声に包まれるたび、
感謝という名の光が
内側から灯っていく。

応援の声は、
心の強さを育ててくれる。
それはひのきの抗菌作用と同じ。
人の声にも、
健康を回復させる力があるのだと思った。
この世界は、
声と香りの調和でできている。

【第四章】修行ロードと心の健康

四十キロを越えた頃、
コースは山間の一本道へ。
応援も音もない。
ただ、自分の呼吸と
心臓の鼓動だけが聞こえる。

孤独とは、切り離されることではなく、
自分の中にある「ひのきの森」に還ること。
静けさの中で、ようやく感情が整っていく。

汗が滝のように流れ、
陽射しが体を焼き尽くす中でも、
どこか心は穏やかだった。
健康とは、外側の条件ではなく、
内側の調和を取り戻すこと。
それを気づかせてくれるのが、
ひのきのように見えないところで
支えてくれる自然の力。

【第五章】感謝の再生と、仲間の声

坂を登るたびに脚が重くなる。
「余計な坂をありがとう」とつぶやくと、
どこかで笑いがこみ上げる。

その瞬間、道の向こうに美穂さんの姿。
冷たいドリンクと、あたたかな声。
その声に、全身の疲れが溶けていく。

ひのきの香りと人の声。
どちらも「支える力」を持っている。
健康とは、孤立の中では生まれず、
感謝の交わりの中で息づいていく。

支えてくれる人がいる。
応援してくれる声がある。
だから、また走れる。
ひのきのように、
誰かを包み癒せる存在になりたいと
心の底から思った。

【結び】走ること、祈ること、
そして生きること


50キロ地点。
「ようやく半分」という安堵と、
「ここからが本番」
という覚悟が交差する。

健康とは結果ではなく、
感謝を重ねていくプロセス。
ひのきの香りのように、
静かに、しかし確かに
人を癒す力を放っていくこと。

嵐も雷も、祓いの一部。
光も風も、感謝のあらわれ。

壱岐の風が教えてくれたのは、
自然と心の調和こそが、真の健康。
走ることは祈ること。
そして祈ることは、生きること。

この旅の香りが、読んでくださった方の心にも
ひのきのようにやさしく届きますように。

【次回予告】


『限界と再生 〜太陽の下で見えた自分〜』
60キロを越える灼熱の孤独の中で見えた、
新しい感謝と健康のかたちをお届けします。

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佐々木丘
専門家

佐々木丘(木材バイヤー)

合同会社Green’s Label

プロの料理人向けに原木から仕入れてオーダーメイドのまな板を作成。ご神木のDNAを『挿し木』という技法で受け継ぎ、ゆっくり真っ直ぐ育つ「とあるひのき」を扱う。木目の美しさから「美人まな板」と呼ばれている

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