福岡注文住宅設計・土間収納・シューズクローク編・宗像市~福岡市~糸島市~筑紫野市・玄関収納スペースが広くなる傾向
筑前町・福岡市工務店・創業1968年・建築士と創る家づくり・㈱清武建設一級建築士事務所
(地元ハウスメーカー・住宅設計・C値・Q値・Ua値と全体最適な家づくりを考える)
『本当に、住宅購入できるのだろうか?』
普通の感覚をお持ちの方は、そのように考えて当然です。
最近の物価上昇から、建築資材の価格が高騰し、
さらに、福岡市、その周辺、郊外でも駅近の土地価格は、上昇する一方です。
そのような状況下であったも、
毎日、命を切り売りして頑張っている私達(日本人)の平均年収が約400万円という状況は、約30年前から変わっていません。
年収(夫婦の合計年収)より住宅ローンの借り入れ可能額を把握し、
住宅ローンの借り入れ可能額の範囲から、住宅取得における総予算を、計算しなければなりません。
建築材料が上昇しても、土地価格が上昇しても、
住宅取得における総予算は、平均年収が約30年前から変わっていない為に、大きく変えることは物理的に不可能です。
では、どのようにすれば、良いでしょうか?
費用をかける部分と、おさえる部分の明暗をはっきりと付けるしかありません。
そのような視点で、住宅の省エネ化(下記掲載のUa値、C値)に費用をどこまでかけるべきか考えてみたいと思います。
【C値】 現地で建築中において気密測定して求められる数値
C値とは、住宅の気密性能を表す数値のことです。
その家の床面積に対して、どの程度の面積のスキマが存在するかを表した数値になります。
一般的な注文住宅の仕様例
・隙間の合計70 c㎡ ・床面積100㎡
C値は 70 c㎡ ÷ 100㎡ = 0.7 [c㎡/㎡]
さらにC値を上げる為には、気密性の高い外壁面材を貼れば良いです。
(材料の選択と予算の兼ね合いで検討しなければなりません。)
【Ua値】 物件ごとに計算で求められる数値
建物のそれぞれの部位の熱損失量を合計して、建物外皮の面積で割ったものが、外皮平均熱貫流率(Ua値)です。簡単に言えば、「どれくらい熱量が家の外に逃げやすいのか」を表す数値です。断熱材、サッシ仕様、建物形状(屋外表面積)により変わり、物件ごとに計算で求めます。0.4以下の仕様の家が増えていますが、一般的な注文住宅の仕様例で予想される0.9程度から0.4程度にスペックを上げると、樹脂サッシ、トリプルガラス、断熱材の厚み変更で、300万円以上の増額が予想されます。特に、昨今の資材価格(石油、海外の木材・・・)の高騰でそれ以上かもしれません。
春と秋は差額が少ないですが、月間の電気代が平均0.3万円省エネになったと仮定し、
0.3万円x12か月x40年=144万円 ≦ 300万円以上(建材増額分)
近年の一般住宅でもヒートショックの心配は少なく、快適性も向上しており、数字上の性能を追求する事も大切ですが、費用対効果の兼ね合いで考えなければなりません。
【Q値】 物件ごとに計算で求められる数値
Q値(熱損失係数)は、その家がどれくらい熱が逃げやすいのかを表す数値になります。
Q値=(各部の熱損失量の合計+換気による熱損失量の合計)/ 延床面積
で求められ、この数値が小さいほど、断熱性が高い家となります。Q値が低い家は、冬は暖房であたためた熱が、夏は冷房で冷やした冷気が外へ逃げにくく、快適な室温を保つための冷暖房費がかかりにくい、省エネ性能が高い家といえます。上記と同じように、建材を変更(建材増額)すれば容易に改善されます。2013年から、Q値に代わってUa値が省エネルギー基準を達成しているかどうかの基準となりました。
【まとめ】 ㈱清武建設の建築士の立場からの意見の一つとして
冷暖房が不要な季節の場合は、C値、Ua値の増減は、生活上における体感差はなく、夏季、冬季の場合でも、窓から少し離れていれば、C値、UA値の増減による体感差は特にないと思います。二酸化炭素排出量を削減するという考え方で世界は向かっていますが、消費者に対し、高スペックな家が常識だという印象が過剰になりつつある気がします。特に高スペックな建材は、価格高騰が大きく、住宅ローンの事前審査で確定する範囲で、全体最適な家づくり計画をおこない、返済負担が重くなる消費者の立場でしっかりと考えなければなりません。UA値やC値に限らず、輸入材高騰の為、国産木材を多く利用する考え方も重要です。