建築設計という職種 福岡市東区住宅設計・一級建築士 清武修一 (哲学者、ソクラテス~)
H26年 11月
【 なぜ建築費用のコストが上がってしまうのか?】
丁稚奉公という文化が崩壊し、職人が主役でない時代に・・・
株式会社 清 武 建 設
代表取締役 清武修一 (一級建築士)
一級建築士2名 二級建築士2名 スタッフ
◎はじめに
「なぜ、建築費用のコストが上がってしまうのか?」
大工である私の父の考え方から、 現在の私の考えを書いてみます。
その中で、戦後の家づくりより、現在の家づくりの変化、
住宅業界の一部にも触れたいと思います。
読んでみる価値はあると思います。
少々おつきあい下さい。
◎ガンコな大工の父、清武建設 創業者 清武利晴(現会長)のあゆみ
私の父が7歳(昭和20年)の時、終戦を迎えました。
大刀洗飛行場(筑前町に記念館があります。)が近く、
身近に 「アメリカ」 の爆撃機の襲撃があっていたそうです。
苦しい時代背景もあり、
高校への進学率が低い時代だった為に、
中学校を卒業し、すぐに大工の 「 丁稚奉公 (でっちほうこう) 」 へ行きました。
「丁稚奉公」 とは、親方や兄弟子より、 「仕事を教えてもらう?」 という事で、
基本的に、給料はありません。
「食事」 と 「寝床」 のみ提供されるだけです。
何故、「仕事を教えてもらう?」 かと申しますと、「仕事は、見て覚えろ!」 といわれていたそうで、
手取り足取り教えてもらえなかったそうで、
ほぼ無給で働き、見て覚えなければならないのですから、
現在の社会では考えられない環境が、昔の日本に存在していた、という事です。
確かに、厳しい環境ですが、考え方によっては、合理的で、「高校」 や 「大学」 は学費が必要ですが、
「丁稚奉公」 は、授業料が無料の 「職人学校」 といえます。
しかし、現在は、「最低賃金」 が定められ、「丁稚奉公」 という制度は 「崩壊」 しました。
「丁稚奉公」 のある時代は、半人前だと、賃金が発生しない状況なので、
早く、一人前になって・・・・、という思いも強く、必死に、職人としての技術の習得を行っていたと思います。
本来なら、大工仕事が出来て、初めて、「大工」 としての賃金が発生するのでしょうが、
現在は、半人前でも、賃金が発生します。
それらの理由もあり、「丁稚奉公」 制度がある時代は、
「純和風住宅」を、一般の方々が当たり前に建築できていたのですが、
現在、職人さんの手間がかかる「純和風住宅」を建築すると、人件費が膨らみ、あまりにも高額になってしまい、住宅ローンの返済を考えると仕方ありませんが、簡素化された洋風住宅が世間一般の、現在の主流になってしまいました。(システムキッチン等、設備器具が便利になった反面、設備器具が高額になり、さらに純和風住宅で建築すると、予算が合わないという理由もあります。)
父の場合、約十年間、「大工見習い」 という事だったそうで、
「職人」として、一人前になるという事は、
筑前町(平成の大合併で、三輪町と夜須町が合併)
という農業を主体とする小さなコミュニティーの中ですが、
周囲の方々より 「大工」 「棟梁」 として、尊敬を持って接していただき、「やりがい」もあったはずです。
大工として一人前になった父ですが、
これから、建築士という資格がないと、建築の許認可が取れない為に、
必要性を感じ、20代後半から、大阪の夜間の建築専門学校に入学し、
2級建築士を取得し,ました。日中は大工工事を行い、夜は図面を書いていた事を思い出します。
それから、約40年程(2006年の新築住宅の棟梁を務め、大工職を引退)、
注文住宅の設計~大工さんまで、父は、やっておりましたので、
尊敬しています。
◎私、清武建設 2代目 清武修一(代表取締役)のあゆみ
その後、父も年齢には勝てず、大工としての仕事量が少なくなりつつある 2000年、
私は、「清武建設」の跡を継ぐ気持ちで、建設業の会社勤務より
脱サラする相談をしました。(30歳・上場企業の係長を最後に退職)
しかし、これから、意見の衝突です。
筑前町にある清武建設の 「事務所」 というか 「大工小屋」 ですが、
「会社の看板」 を屋外に掲げてなく、
「いい仕事をすれば、次の仕事も来る。」 という父の考え方があり、
こらからも 「会社の看板」 は不要だと父に言われ、
本質的に正しい事ですが、意見が合わず、
跡を継ぐ、という事を考えて 脱サラ する相談をしたのですが、
跡を継いだ事になるのか、微妙ですが、
福岡市東区箱崎ふ頭(現在、清武建設の倉庫)にて、支店という形で、
脱サラする直前に購入した15坪の店舗ですが、「清武建設・博多支店 」 がスタートし、
2002年、法人化しました。
事務所の所在地は、「東区」なのに、何故、「博多支店」かと申しますと、
朝倉郡筑前町出身の私にとってみれば、
「福岡≒博多」 という印象があったからでした。
その後、法人化10年目の、2012年に、福岡市東区箱崎7-2-14(社屋)へ移転しました。
http://mbp-japan.com/fukuoka/kiyotake/column/1801/
(現在は、父も理解を示し、筑前町に看板らしきものは掲示しています。年齢は77才になりましたが、元気で、現場の片づけや掃除もしてくれる協力者になってくれました。感謝しています。)
◎近年の住宅業界
客観的に見ると、この文章を書いている今でこそ、『笑える』 お話ですが、
当時の私は、建築業(設計事務所、工務店)のサラリーマンを経験し、脱サラし、
事務所に看板を掲げる事に反対する父の考えに悩みました。
ガンコな父ですが、物事の本質を考えると、確かに、正しいと思います。
昔は、ご近所の方が、直接、大工さんに依頼する事が、当然である、住宅の建設なので、
「屋外看板」 は不要ですし、
「住宅営業マン」 、
最近は、さらに複雑で、工務店を紹介するとかで、
「住宅コンサルタント」 という職業もあるそうで、
大工である私の父から見ると、それらは、存在理由が全く分からない職業だと思っているようです。
そのような、ガンコな父の考え方を元に、私なりに現状を考えると、
現在は、住宅を建築する過程で、「選択肢」 が広く、複雑であり、
また、「建築許可」 を取る為に必要なので、「建築士」 という職業は、重要だと思います。
そういう理由もあり、弊社の社員は、一名の経理以外ですが、
全て、「建築士」 です。 他はいません。
『施主(お客様)』 ⇔ 『建築士(弊社社員)』 ⇔ 『いつもお付き合いさせていただく職人さん達』
現在は、このような考え方が良いと、私なりに、父の考え方を元に、解釈しています。
『施主(お客様)』⇔『モデルハウス』⇔『営業』⇔『建築士』⇔『下請会社』⇔『職人』
このような構図になりつつある現在の住宅業界、
私の父が、「丁稚奉公」 をおこなっていた時代は、
『施主(お客様)』 ⇔ 『大工棟梁を中心とする職人集団』
でしたので、現在は、お客様(施主)との間に、いろいろなものが加わっています。
もちろん、PR活動をしっかりとする上で、必要な場合もあるかもしれませんが、
私の父が、「丁稚奉公」 をおこなっていた時代から比較すると、
良い事か、悪い事か、複雑ですが、
当然、コストが増える事は一目瞭然です。
また、身近な大工さんに聞いたお話ですが、
大工さんとしての、「いい家を建てたい」 という思いは、
お客様、設計者と同じ、あるいは、それ以上なのですが、
ハウスメーカーの指導により、お客様と直接、お話が出来ないようになっているそうです。
何故なら、職人として、正しい事をお客様へお伝えしても、営業的には違う場合があるからだそうです。
私の父が、「丁稚奉公」 をおこなっていた時代は、
『施主(お客様)』 ⇔ 『職人』
でしたが、実際に作る人、 『職人』 の意見が反映されない家づくりというものは、
何か、おかしいような気がします。
そのような状況が続くと、増々、 『職人』 さんの 「やりがい」 というものが失われ、
木造住宅の伝統文化が失われてしまう気が致します。
◎2014年、弊社の状況
私を含めて2人の一級建築士
2人の二級建築士スタッフで、お客様との打ち合わせ、設計、現場管理を行い、
一級建築士事務所としての 設計業務 との併用で、
不動産業も開始し、分譲地を開発し、低価格での宅地販売も出来ました。
また、税金等を含む、引っ越しまでに必要な費用計算、
住宅ローンのシュミレーションもご提案できており、
家計に負担のない、『健康』 な注文住宅のご提案が出来ていると思います。
『健康』 な注文住宅という事は、大切です。
病気になってしまえば、医療費の負担が増え、
一般的な低価格住宅を建築しても、家計上の支出総額が、
結果的に、増えてしまう事もありえます。
弊社の低価格住宅は、
『施主(お客様)』 ⇔ 『建築士(弊社社員)』 ⇔ 『いつもお付き合いさせていただく職人さん達』
という、構図で成り立ち、『健康』 な素材を多く使った注文住宅をご提案しています。
健康素材を考える必要を感じた経緯
私を含めて2人の一級建築士 2人の二級建築士スタッフ
◎2014年、父の状況
私の父ですが、体力が衰え、大工としての仕事は、出来ませんが、
私からの電話一本で、現場の片づけに行ってくれており、本当に感謝しています。
それ以外の父の日常は、筑前町の登山グループの 「会長」 をさせていただいています。
また、登山が 「縁」 で、山岳仏教を信心するまでには至っていませんが、
英彦山、石鎚山の神社の祭典にて、山伏のような白装束で、法螺貝を吹いています。
時々、弊社の住宅建築現場付近より、法螺貝の音がするという事で、
不思議に思っている現場の職人さんがいらっしゃる事を聞いています。
清武建設に営業がいない理由HP
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H26年11月
≪健康な住宅空間を考える≫
~医師であるお客様とのお話より~
株式会社 清武建設 (清武一級建築士事務所) 一級建築士 清武 修一
先日、「医師」のお客様が、来社されました。
その中で、シックハウス(家原病とも言われます。)の原因である、
ホルムアルデヒドが充満する住宅は、好まないというお話がありました。
現在、弊社にて設計させていただいており、
私の乏しい知識ではありますが、再度、私自身も整理する為に、
そのお話の内容を書いてみたいと思います。
【ホルマリン】
ホルマリンは、無色透明で、刺激臭があり、生体に有害とされる水溶液です。
ホルマリンによって死滅する菌類、細菌類が多いことから、防腐処理に広く用いられ、
希釈して、ケガをした時の消毒液としても使用されます。
ホルマリンは、防腐処理として有効な為、
接着剤が腐敗して、接着強度が低下しないように、
接着剤に、防腐剤として添加されています。
ホルマリンが気体になると、ホルムアルデヒドになりますが、
シックハウス(家原病とも言われます。)の原因になると考えられています。
その為、ホルマリンを含む接着剤を使用した建築資材を使用しない事が、
シックハウスにならない有効な手段になります。
しかし、現実には、そのような建築資材が無いに等しく、
接着剤が腐敗して接着力が低下すると、
建築資材の強度不足、反り、建築資材の接合部分の剥離が発生し、
製品不良になってしまいます。
●フローリング
●室内の出入り口のドア、ドア枠
●システムキッチン、洗面台等の水廻り器具
●屋根、壁に貼る合板
全てに、防腐剤であるホルマリンを含む接着剤によって接合されています。
建築基準法により、平成15年7月1日に施行されましたが、
★★★★、フォースターと表記された、
ホルマリンの量を制限していた建築資材を使用することが義務化されました。
しかし、ホルマリンがゼロの建材は、ほぼ流通されていない現状です。
家具には、ホルマリン量の規制がありませんので、ご注意ください。
【キャッチャー剤】
接着剤の防腐剤であるホルマリンが気化すると、ホルムアルデヒドになりますが、
ホルムアルデヒドとして気化する事を防ぐ為に、
キャッチャー剤というものが添加されています。
その為、新しい製品は、ホルマリンの刺激臭がなく、問題なく感じてしまいます。
しかし、キャッチャー剤の有効期限は3年程度なので、
数年後にホルムアルデヒドが発生します。
【にかわ接着剤】
「にかわ接着剤」は動物の骨や皮から製造したもので、
日本以外でも、中国 ・欧州 ・エジプトなど、紀元前から使われた代表的な接着剤です。
「にかわ接着剤」には、シックハウスの原因となるホルマリンが含まれません。
木材と木材を接合する場合に使用し、弊社でも建築する住宅が増えています。
【でんぷんのり】
ホルマリンを含まない、小麦を原料にした「でんぷんのり」を、
壁紙を貼る接着剤として使用しています。
しかし、数年後に壁紙が剥がれやすくなるというデメリットがあります。
難しい選択ですが、あらかじめご理解の上、使用しています。
【シックハウスを防ぐ具体策】
●ホルマリンを含む接着剤を使用している合板類をなるべく使用しない。
●上記の合板類で製品化された商品をなるべく使用しない。
●「にかわ接着剤」、「でんぷんのり」を使用する。
●健康な商品と思った「珪藻土系」、「漆喰系」でも、ホルマリンを多く含んだ商品が多く注意する。
(弊社ではゼロホルム塗壁材をご案内しています。)
【弊社の現状】
① 壁、屋根の全てに合板を貼った住宅が9割以上建築されている住宅業界の現状ですが、
壁には合板を貼らず、木組で強度を確保し、瓦屋根の下には合板を貼らず、
無垢の杉板を貼っています。
② フローリングは貼らず、無垢の床材をオススメしています。
③ フローリングの下に、床の強度を確保する為に、
24mm以上の合板を貼った住宅が9割以上建築されている住宅業界の現状ですが、
弊社では、無垢の木組で床の強度を確保しています。
④ 木製ドア等は、工業製品を使わず、
「にかわ接着剤」を使った手作りのドアをオススメしています。
⑤ キッチン、洗面等の水回り器具は、工業製品を使わず、
「にかわ接着剤」を使って手作りで製作した商品をオススメしています。
このような弊社の取り組みにより、
かなりのホルムアルデヒドの発生を防いだ住宅を建築しています。
①②③を実行し、他社の住宅メーカー様のご予算以下で建築できていますが、
④⑤は、本当に申し訳ありませんが、かなり高額になってしまい、
ご予算の多い方、建築面積を縮小できる方、ご家族の体調によりオススメしています。
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『 健康な住宅環境 でも 低価格 』 の理由
S43年創業時、
◎『施主(お客様)』 ⇔ 『棟梁・大工(現会長・清武利晴)を中心とする職人さん達』
というシンプルな形態で住宅を建築していましたが、現在の住宅業界は全般的に、
◎『施主(お客様)』⇔『モデルハウス』⇔『営業』⇔『建築士』⇔『下請会社』⇔『職人』
ですので、コスト増になってしまいます。
住宅資材の「選択肢」が広く提案力を求められる現在にマッチし、シンプルな、
◎『施主(お客様)』⇔『建築士(弊社社員)』⇔『職人さん達』
「営業社員ゼロ」 「建築士と職人のみ」 このような形態の弊社で、
健康素材をふんだんに使用しても低価格な、オーダー住宅を建築しませんか?
一級建築士2名 二級建築士2名 スタッフ
【ご予約連絡先・会場案内】
住 所 :福岡市東区箱崎7-2-14 (上記写真の事務所です。)
(Home Plan Kiyotake ビル2F キッズルーム内)
アクセス:地下鉄貝塚駅東口より名島方面、徒歩7分
代 表 電 話 : 092-201-8201(火・水・定休)
フリーダイヤル : 0120-01-5040(火・水・定休)
お気軽にお越しください。
※ 火・水 新規受付窓口・定休
「営業社員がいない」 清武建設 ・ 清武一級建築士 HP