水晶玉に、どうぶつの名前を彫るという記念

松岡順子

松岡順子

テーマ:供養のデザイン

水晶玉に、どうぶつの名前を入れるという記念


小さくて、主張しない形を探していました


どうぶつの名前を残すガラスについて考える中で、
ずっと引っかかっていたことがあります。

それは、
人の位牌と同じ形でなくていいということ。

同じように大切だったけれど、
同じ場所、同じ立ち方でなくてもいい。
その距離感を、どう形にするかを考えていました。

名前が短いからこそできること


どうぶつの名前は、短いことが多いです。
一音、二音。
呼ぶたびに、気配ごと伝わってくる名前。

だから、
大きな面に刻むよりも、
小さなかたちにそっと閉じ込める
ほうが似合うのでは、
と思うようになりました。

そこで選んだのが、水晶玉でした。

立たせない、前に出さない


水晶玉には、正面も上下もありません。

置いた向きで意味が決まらない。
主張もしない。

人の位牌の「前」に置くのではなく、
仏壇の隅に、そっと置く。

水晶玉 位牌 名入れ 愛猫 愛犬

その配置にしたとき、
人とどうぶつの関係性が、無理なく保たれる
気がしました。

これは位牌ではありません


最初にお伝えしておくと、
これは仏具屋としての提案でも、
宗教的な正解を示すものでもありません。


ガラスのものづくりに携わる立場としての、
あくまで私個人の見解です。


位牌の代わり、というよりも、
名前の居場所
として考えています。

記号のように残すという選択


水晶玉に刻まれた名前は、
遠くからは読めません。

けれど、
知っている人には、すぐ分かります。

それでいい、と思っています。

説明しなくてもいい。
理解を求めなくてもいい。
自分の中でだけ、きちんと通じていれば。

こんな方に向いている形です


・人の位牌と並べることに迷いがある
・名前だけを、静かに残したい
・大げさな供養の形は望んでいない
・でも、忘れてしまいたいわけではない


おわりに


水晶玉に名前を入れる、というのは、
何かを新しく始めるというより、
関係をそのまま留めておく
ための選択だと思っています。

近すぎず、遠すぎず。
前に出過ぎず、隠れすぎず。

仏壇の隅で、
今日も変わらず、そこにある。

それくらいの居場所が、
ちょうどいいと感じる方も、きっといるはずです。

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松岡順子
専門家

松岡順子(ガラス工芸)

株式会社 クライミング

贈る相手や用途に合わせて、完全オリジナルで制作。世界にひとつだけのガラス作品で、特別な空間を演出します。

松岡順子プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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