十一面観音像のエッチング 【ガラス 寺院内装】
「こころを整えて描く、神聖な存在」
― 観音様と大仏様に込める敬意
お寺の納骨堂に使われているエッチングガラスは、静けさと美しさが調和した、特別な“こころのかたち”です。
とくに観音様や大仏様を描くときは、心を整え、深い敬意をもって向き合うことが大切になります。
それは、ただ模様を刻むということではなく、祈りや想いをそっと形にしていく、静かな時間の中での営みだからです。
エッチングガラスの制作には、細やかな技術が求められます。
だからこそ、まずは心を落ち着けて、穏やかな気持ちで作業に入ることが欠かせません。
もし心の中に不安や焦りがあると、手元にその揺らぎが現れてしまうこともあります。
そんな緊張感も、この仕事の大切な一面だと感じています。
私たちが描く観音様や大仏様は、単なる装飾ではありません。
それぞれに深い歴史や背景があり、多くの方々に愛され、希望を与えてきた存在です。
この“こころのかたち”を手がけることは、亡くなられた方への敬意を表し、
天上の安らぎをそっと届ける役割でもあると感じています。
現在も、納骨堂に納められる作品のひとつを、心を込めて制作しているところです。
その原稿を描くたびに、手が震えるような緊張感を覚えながら、ひと線ひと線に想いを込めています。
だからこそ、制作の過程での心の状態はとても大切です。
静かな場所で深呼吸をしながら、自分の心を整えることから始めます。
心が静まり、自然と手が動き出したとき、ようやく神聖な存在を描く準備が整ったと感じるのです。
エッチングガラスに刻まれた模様は、目に見える美しさだけでなく、
見る人の心に安らぎや信仰の気持ちを届けるものでもあります。
こうして完成した作品が、お寺の納骨堂を訪れる方々にとって、
静けさとやさしさを感じられる空間になることを願っています。
観音様や大仏様は、私たちの不安や迷いを癒し、より良い道へと導いてくれる存在です。
そのお力に、ほんの少しでも寄り添えることが、私にとっての喜びでもあります。
これからも、心を整えながら、一つひとつの作品を丁寧に仕上げていきたいと思います。
皆さまの大切な空間に、やさしい想いをそっと届けられますように。



