タバコを吸わないと生命保険料が安くなることを知っていますか?
2014年6月30日 RKB毎日放送「今日感ニュース」
ファイナンシャルプランナーの久保逸郎です。
3月1日に書いたのコラムでは、現役世代の医療費の自己負担について書きました。
高額療養費があるため、基本的に健康保険で病気やケガへの備えはできているということを、しっかりとご理解いただけたのではないでしょうか。
2021年3月1日
『高額療養費を知って、医療保険の無駄を省こう』
そこで今回は70歳以上の高齢者の自己負担について触れたいと思います。
70歳以上の健康保険の医療費の自己負担は1~3割で、収入が多く「現役並みの所得者」に該当しなければ、自己負担は現役世代よりも少ない形になっています。
また、現役世代と同じように高額療養費の制度があり、大きな自己負担とならないように制度が作られています。
平成29年8月に70歳以上の高額療養費の上限が変更
その高額療養費ですが、平成29年8月から70歳以上の高齢者の高額療養費の上限が変更されました。
現在の自己負担は下記のようになっています。
<70歳以上の自己負担限度額> 平成30年8月以降
【市町村民税非課税者(低所得世帯)】
-自己負担限度額(月額)-
通院(個人ごと)8,000円
入院および通院(世帯単位) 24,600円
(注1)年金収入80万以下など 15,000円
【一般】
-自己負担限度額(月額)-
通院(個人ごと) 18,000円(年間144,000円上限)
入院および通院(世帯単位) 57,600円
多数該当の場合(月額) 44,400円
【年収370万円~770万円】
-自己負担限度額(月額)-
入院および通院(世帯単位)80,100円+(医療費-267,000円)×1%
多数該当の場合(月額) 44,400円
【年収770万円~1,160万円】
-自己負担限度額(月額)-
入院および通院(世帯単位)167,400円+(医療費-558,000円)×1%
多数該当の場合(月額) 93,000円
【年収1,160万円以上】
-自己負担限度額(月額)-
入院および通院(世帯単位)252,600円+(医療費-842,000円)×1%
多数該当の場合(月額) 140,100円
(費用の負担感の大きさは人ぞれぞれだとは思いますが)「現役並み」の基準に該当しなければ、医療費の負担はそれほど多くはないと言えるでしょう。
健康不安を煽るセールストークに乗らないで合理的な判断を
このように70歳以上の方は、現役世代に比べて、医療費の自己負担は少なくて済むようになっています。
現役世代でもそれほど医療保険に加入をする必要はないと考えられるのに、わざわざ現役世代よりも高い保険料を支払ってまで、高齢者が医療保険に加入をする必要があるのでしょうか?
ファイナンシャルプランナーとしては「少ない掛金で、預貯金では到底カバーできない大きなリスクに備える」ことが保険の役割であると考えているため、医療保険の必要性は小さいと思います。
加齢とともに健康への不安は大きくなってくるものです。
保険営業員はあの手この手でうまく不安を煽って医療保険を勧めてきますので、医療保険への加入を検討してしまう気持ちは理解できますが、「日頃から高い健康保険料を払っているから、基本的に病気やケガへの備えはできている」と考えて冷静に判断をしてもらいたいですね。
もしもご自身で判断が出来ないようでしたら、一度ご家族などに相談をしてみたり、第三者にセカンドオピニオンを求めてみるのもよいと思います。
2012年12月10日 「今、相談したい!ファイナンシャルプランナーの選び方」著者:石田英憲(株式会社エフピー研究所)
安心して相談できるカリスマFP10人の一人として紹介されています
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