福岡銀行 住宅ローンの借入期間が最長40年から50年に
マイホーム購入の悩みどころ 価格も住宅ローン金利も上昇傾向
この数年で住宅市場の状況は著しく変化しています。
価格水準は年々上昇傾向にあり、住宅ローン金利は固定金利・変動金利とも昨年より上昇、今後も先行きが読みにくい状況にあると言えるでしょう。
価格については、コロナ騒動を境に大きく変わったと言えます。
コロナ禍ではウッドショックで建築資材不足をきっかけに価格が高騰し、コロナが落ち着いたと思えば今度は円安で資材価格が高騰、それに人手不足による人件費高騰も加わり、ここ数年、住宅価格は上昇傾向が続いています。
住宅ローンの金利で言えば、固定金利は長期金利（10年国債の利回り）が上昇傾向にあることからじわじわと上昇、変動金利は昨年3月に日銀がマイナス金利を解除して以降2度の利上げが行われて、マイナス金利の頃と比べるとどの銀行も0.4～0.5％ほど上昇しているという状況です。
そのような状況にある中、今はマイホーム購入のタイミングとしてどうなのか？と疑問を持つ人は多いのではないでしょうか。
「今買ってもいいケース」と「もう少し待った方がいいケース」
私なりに「今買ってもいいケース」と「もう少し待った方がいいケース」を考えてみました。
誰にでも当てはまることとは言い切れないので、参考程度に捉えていただければと思います。
今買ってもいいケース
・購入を予定しているエリアが「将来的にも便利・人気が維持されそう」な立地（駅近、交通アクセス良、再開発エリア など）
・住宅ローンを無理なく返済できる目途が立っていて、変動金利で取り組む場合、将来金利が上昇しても一定の余裕がある（返済比率低め、貯蓄あり など）
・「現在の住まいが老朽化で住み替えの必要性が高まっている」などで次の住まいを探さないといけないが、他の賃貸に住み替えるにはコスト（敷金や今後の家賃など）が高い状況にある
・現在の年齢、今後の世帯収入、子どもの成長や進学などで、今が住宅購入に適した状況にある場合
もう少し待った方がいいケース
・希望エリアが郊外・駅から遠め・将来の需要にやや疑問がある、などと感じる場合
・現状では住宅ローンの返済計画がタイト、金利上昇時の余裕があまりない
・物件選び、市場動向をもう少し調べて、条件を絞ってから動きたい
・いずれは購入を考えているが、ライフイベントを考えると今は購入するのに良いタイミングではない
今購入を控えている人の中には「少しでも価格が下がるのを待ちたい」「住宅ローンの金利が再び下がってから買いたい」と考える人がいるかもしれません。
様々なものの物価高騰が続いている現在、そのように思う人は多いのではないでしょうか。
そこで考えたいのは、物価にしても金利にしても「今後下がる見込みがあるのか」「下がるとしたらいつ頃か」です。
物価や金利は今後下がるのか？
昨今の物価高の主な要因は「円安」と「供給量不足」と「人手不足」だと言えるでしょう。
農作物については「天候不順」も原因にあげられるかもしれません。
高市政権になって政治が新たな方向に動き始めましたが、仮に政策が順調にいったとしても、これらの問題が解決するには長い時間がかかるのではないでしょうか。
金利について言えば、日本は長年にわたってデフレによる低金利状態が続きました。
バブル期の高金利時代を知らない人の中には、住宅ローン（特に変動金利）の低金利が当たり前のように思っていた人も多いと思います。
それでは昨年から上昇した金利が、また以前のような金利に戻る見通しはあるのでしょうか。
以前のような金利に戻るということは、日本経済がまたデフレに戻るということです。
それを考えると「今後金利が下がる可能性は現時点ではかなり低い（むしろ今よりもう少し上がる可能性の方が高い）」「下がるにしてもいつになるか分からない」と言わざるを得ないでしょう。
まとめ
マイホーム購入を考える理由は人それぞれで、個人によってベストタイミングは異なります。
自分が購入しようと思った時に買うのが一番満足度が高く、良いタイミングだと言えるのではないでしょうか。
過去数十年の住宅市況を見ると、需給バランスが崩れたことによって価格が下落したことはありました。
しかしそれを期待して「今はやめておこう」と考える場合、ご自身の年齢やライフイベントなどから、慎重に考えた方がよいかもしれません。
