住宅ローンの審査規定は銀行や保証会社によって様々
ジェンダー平等について住宅ローン業界では
SDGsの目標に「ジェンダー平等を実現しよう」という項目があります。
日本では政治家や大手企業の会社役員などにおいて女性の割合はまだ低く、先進国の中でも後れをとっていると言わざるを得ないでしょう。
それを住宅ローン業界で見るとどうでしょう。
銀行など、住宅ローンの担当者は依然と比較すると女性の担当者が増えた感じがあり、中には上の役職についていたり、男性担当者より頼りになる人も増えました。
住宅ローンを取り扱う担当者について私はそのように思っていますが、一方で住宅ローンの申込者の審査の仕方については、男女が平等ではないと言わざるを得ない事案があります。
今回はその一つについてお話します。
夫婦共働きだが妻単独での申込みを受け付けないケース
例えば、夫婦共働きの世帯がマイホームを検討し、住宅ローンの申込みをしようとします。
その場合、多くの人は夫単独、または夫婦連帯債務(夫婦で所有権を共有)で住宅ローンを申込みます。
ところが例えば、夫の個人信用情報に問題があり、申込人が夫だと住宅ローンの審査に通らない可能性が高いとします。
また妻は正社員で十分な収入があり、妻単独で申込んでも審査の規定を満たしているとします。
このケースで、妻単独での申込みを受け付けない金融機関が今でもあるのです。
夫単独で申込む際、夫の年収のみで借入希望金額が審査規定を満たしていれば、どの金融機関も申込みを普通に受け付けます。
妻が連帯保証人になるよう求められることはありません。
しかし先ほどの金融機関は、申込人が妻であってもよいがその場合は夫に連帯保証人になるよう求めるのです。
そうなると審査の際、連帯保証人にも個人信用情報の調査があるので、夫の個人信用情報に問題点があれば、申込人である妻の属性や個人信用情報に何ら問題がなくても審査が難航する可能性があるのです。
夫単独での申込みは何ら問題視しないのに、妻単独での申込みは受け付けられない。
これこそジェンダー不平等そのものだと思います。
私のところには年に数件、これに関連する相談が寄せられます。
先述の事例以外にも「夫にはすでに別の所有不動産があり、将来離婚する可能性もゼロとは言えないので、今回は完全に妻単独の名義で購入したい。」などの相談を受けたこともあります。
その際は、妻単独での申込みを受け付ける金融機関を勧めたり申込みサポートを行うことで、多くが解決しています。
なおここで妻単独での申込みを受け付けない金融機関名を具体的にあげると、ネット上で名指しで批判することにもなりかねないので、金融機関名の記載は差し控えることをご了承ください。