住宅ローンの審査規定は銀行や保証会社によって様々
審査に通らなかった時はまず原因を見つけること
マイホーム購入を検討して、気に入った物件が見つかったとします。
購入の資金計画で住宅ローンの借入が必要な場合は、まず契約の前に住宅ローンの「事前審査」の申込みをします。
そこで審査に通れば特に問題はないのですが、中にはその段階で審査に通らない人もいます。
審査に通らない原因はいろいろあります。
例えば以下のようなケースです。
・年収に対して借入希望金額が多すぎた
・返済中のローン(マイカーローン、教育ローンなど)の返済金額が多い
・カードローンやキャッシングの借入金額が多額
・ローンやクレジット分割払いの返済が遅れたことがある など
しかし中には「審査に通らなかった理由に全く心当たりがない」という人もいます。
そのような人は「通らなかった理由は分からないけど別の銀行だと通るかもしれない」と思って、更に2つ3つと次の銀行に申込む傾向があります。
しかし理由が分からないまま次々と申込むのは絶対にやるべきではありません。
審査に通らないということは、必ず何らかの理由があります。
そのような時には、まずやるべき対処法があるのです。
自身の個人信用情報を開示してみる
私の業務において「住宅ローンの審査に通らなかったけど原因が分からない」という相談が時々ありますが、その際はほぼ全員に自身の個人信用情報を開示するよう提案をします。
すると本人は忘れていたけど「クレジットカードやローンの返済日に口座から引き落とされていない時があった」「以前親が住宅ローンを取り組んだ時の連帯債務者や連帯保証人になっていた」などの事実が分かることがあるのです。
なお住宅ローンの審査の際、以下の3社の登録情報を調査されます。
①全国銀行個人信用情報センター(KSC)
②シーアイシー(CIC)
③日本信用情報機構(JICC)
①は住宅ローンやマイカーローンやカードローンなど、主に銀行(信用金庫、労働金庫、JAなども含む)からの借入情報が登録されています。
②は主にクレジットカード会社、保証会社、大手消費者金融会社、銀行など、①や③より最も多い金融機関が加盟登録をしています。
③は主にあらゆる規模の消費者金融、クレジットカード会社、銀行などが加盟登録をしています。
3社とも借入をしているローンの内容、契約日、当初借入金額、現在の残高、返済状況などの詳細な情報が登録されています。
また借りた本人ではなく保証人になっていても情報登録されています。
なおこれらの情報は、完済してから5年後まで残っているのです。
近年特に多い携帯電話会社のブラック情報登録
その時によくあるのが、スマホ本体代の分割払いに関するトラブルです。
画像はその事例です。
なお見出しに「ブラック情報」という言葉を使いましたが「ブラックリスト」というものは存在しないので、その点はご理解ください。
スマホ本体代は多くの人が分割払いにしています。
少し前までは24回払いが多かったのですが、最近は機種本体が10万円を超えることも多く、48回払いになっているのも見かけるようになりました。
しかしここ数年、携帯電話ショップでの手続の行き違いなどで、契約者本人が知らぬ間に個人信用情報に悪い情報が登録されているケースが多く見られるのです。
画像の事例でいうと画像の真ん中あたり「26.返済状況」のところに「異動」という言葉で示されています。
異動は、支払いに長期延滞が生じたことを表しています。
しかし中には情報を開示して初めてこの情報登録を知ったという人もいます。
ではどのような手続きでこのような状況が起こったのでしょうか?
多くは以下の内容です。
・機種変更をした時点で前の機種の残債がまだあったが完済手続がされていなかった
・支払方法の変更手続をしたところ何らかの理由で変更処理がされていなかった など
当初私は相談者から話を聞いて「そんなことがあり得るのか?」と半信半疑でした。
しかし数社ある携帯電話会社の中で、ある1社だけは他社より群を抜いてこのような異動情報登録事案が多いのです。
実は私も以前その携帯電話会社と契約していた時期があり、私自身もあやうくトラブルになりそうなことがあったので、それからは相談者の言い分を信じられるようになりました。
このような異動情報登録があっても住宅ローン審査に通るケースはある
最近は、携帯電話会社の情報登録に問題点があっても、その内容や当時の事情次第では審査を通してくれる銀行や保証会社が出てきましたが、まだ多くの銀行や保証会社は1件でもそのような情報があると審査は否決となります。
私が当該相談者の住宅ローン手続をする際は、前者の銀行に申込むことで解決することが多々あります。
住宅ローンの審査の中で個人信用情報は重要項目です。
もしも審査に通らなかった原因に心当たりがなければ、まずは自身の個人信用情報を開示することをおすすめします。