住宅ローンの審査に通らない→原因に心当たりがない時は
1.事前審査(仮審査)と本審査
住宅ローンの審査は、ほとんどの金融機関で「事前審査(仮審査)」→「本審査」と2段階での審査が行われます。
本審査で「承認」を得ることで、申込者が住宅ローンでお金を借りられることが決定するのです。
なお事前審査(仮審査)・本審査とも、審査は銀行と保証会社と両方で行われます。
住宅ローンの審査に関する記事やブログで「事前審査は銀行のみで行われ、本審査は銀行と保証会社で行われる」と書かれているのを時々見かけますが、私が知る限りでは事前審査(仮審査)の段階から銀行と保証会社の両方で審査をしているようです。
実際、事前審査(仮審査)の申込書の宛先は銀行と保証会社の連名になっています。
2,事前審査(仮審査)と本審査の違い
事前審査(仮審査)と本審査の違いは何でしょうか?
審査の際に提出する書類と、その書類のどこを見られるかを説明します。
なお、銀行と保証会社はひとくくりに「金融機関」としています。
【事前審査(仮審査)】
・運転免許証などの身分証明書
※申込みの意思確認のほか、免許証番号末尾の再発行回数もチェックされます。
※免許取消が原因で申込み時に免許証がなければ、審査が厳しくなる金融機関もあります。
・健康保険証
※勤務先への在籍と入社年月を確認されます。
※国民健康保険の場合、発行日からの有効期間を確認されます。
・年収が分かる書類
※申込み金額やローン返済額(マイカーローンなども含む)に対して、妥当な収入であるかを見ます。
※サラリーマンの場合、前年の源泉徴収票や所得証明書で対応します。
※自営業者の場合、過去2年間または3年間の確定申告書類で対応します。
※申込者が法人の役員の場合は会社の決算書類も必要で、会社の経営状況を見られます。
・現在返済中のローンやクレジットがあれば、その内容(当初借入額、返済額など)が分かる書類
※収入に対して全体のローン返済額が妥当であるかを見られます。
※申込内容次第で、審査承認の条件として「既存ローンの完済条件」をつける金融機関もあります。
・購入物件の内容が分かる資料
※この段階では販売チラシなどの簡易的な書類のみで結構です。
※ただし未登記の箇所があるなど担保物件として不安要素がある場合、その事実を金融機関担当者に伝えておく必要があります。
事前審査(仮審査)は簡易的な審査とはいえ、結構細かいところまでチェックのうえ審査をされるのです。
続いては本審査です。
【本審査】※事前審査(仮審査)の際の書類に加えて以下の書類が必要です。
・住民票(世帯全員記載、続柄記載)
※家族状況について確認をされます。
※離婚歴があれば住民票によってそれが分かる場合があり、審査が難しくなることもあります。
・(申込者がサラリーマンや法人役員の場合)自治体発行の所得証明書
※源泉徴収票との整合性をチェックされます。
・(申込者が確定申告者の場合)税務署発行の納税証明書「その1」「その2」
※「その1」で納税に滞納がないかをチェックされます。
※「その2」で確定申告書上の申告所得との整合性をチェックされます。
・売買契約書
※売買金額などの契約内容と、契約条項をチェックされます。
・重要事項説明書
※担保物件の詳しい内容をチェックされます。
※重要事項説明書の内容次第では、担保物件としての問題点が分かる場合があります。
・物件に関する資料(図面、パンフレット、建築確認申請書など)
※購入物件が新築、中古、一戸建、マンションなどによって異なります。
※重要事項説明書にある物件内容との整合性をチェックされます。
・法務局発行の書類(登記簿謄本、敷地の公図、地積測量図など)
※購入物件が新築、中古、一戸建、マンションなどによって異なります。
※担保物件の内容が公的に届出をされている内容かをチェックします。
このように、事前審査(仮審査)の段階で細かいところまでチェックをされますが、本審査では公的な書類や担保物件の内容を、より詳細にチェックされるのです。
しかし言い換えれば「事前審査で承認。本審査で初めて提出する書類に問題がなく、担保物件の内容にも問題がなければ、本審査も通る可能性が高い。」と思って差し支えありません。
ただし【フラット35】は窓口金融機関によっては審査の仕方が異なる場合があり、事前審査(仮審査)で承認を取っても本審査で否決になるケースもあるので、ご注意ください。