【第3回】そのType-C、本当に何ができる?
― 家電量販店で実際に聞かれた質問から考える
先日、家電量販店のパソコン売り場で、
大学生のお子様と一緒に来店された親御さんから、こんな質問を受けました。
「大学生にAI機能は必要ですか?」
とてもシンプルですが、
実はこの一言の中に、今の親御さんの不安や迷いがすべて詰まっていると感じました。
この質問の裏にある、親御さんの本音
この質問は、
「最新だから必要ですよね?」という前向きなものではありません。
多くの場合、その裏には、
・余計な機能で高くならないか
・AIに頼りすぎて、学力が落ちないか
・そもそも、大学生活で何に使うのか分からない
といった とても真面目で、教育的な視点 があります。
だからこそ、
この質問には軽く答えてはいけないと感じています。
結論から言うと…
私の考えは、こうです。
大学生にAI機能は「必須ではありません」。
ただし、「使える環境があると大きな武器になる」ケースは確実に増えています。
大切なのは、
AIがあるかどうかではなく、どう使うか です。
AIは「答えを出す道具」ではない
最近、AIというと
「レポートを勝手に書く」「考えなくなる」
そんなイメージを持たれることもあります。
ですが、実際の大学生活でAIが役立つ場面は、
・課題の内容を整理する
・レポートの構成を考える
・分からない用語をかみ砕いて理解する
・情報を要約して全体像をつかむ
といった、
“考える前の準備” の部分が中心です。
AIは魔法の道具ではなく、
補助輪のような存在だと感じています。
すでに「使っている学生」は使っています
実際のところ、
多くの大学生はスマートフォンやブラウザで、
すでに何らかのAIに触れています。
問題になるのは、
「使うか・使わないか」ではなく、
・丸投げしてしまうのか
・自分で考えながら使えるのか
この違いです。
これはAIの問題というより、
使い方を教わる機会があるかどうかの問題だと感じています。
「AI機能付きパソコン」は必要なのか?

ここは、よく誤解されるポイントです。
AIが使える=高性能なAI専用パソコンが必要
というわけではありません。
学部や使い方によって、考え方は変わります。
・比較的メリットが大きいケース
・情報系・理工系・デザイン系
・プログラミングやデータ処理を行う
・卒業後もパソコンを使い続ける予定がある
・必須ではないが、あれば便利なケース
・レポート作成が多い学部
・就職活動を見据えている
・パソコン操作に不慣れで効率を上げたい
なくても困らないケース
・使用用途が限定的
・大学指定スペックが最低限の場合
一律に「必要」「不要」と言い切れないのが現実です。
販売の立場として、正直に思うこと
私は家電量販店でパソコンを販売していますが、
「AIがあるから」「新しいから」という理由だけで
勧めることはしていません。
大切なのは、
・大学でどう使うのか
・どこで使うのか
・卒業後も使うのか
こうしたことを、
親子で一度話し合ってから選ぶことだと思っています。
おわりに
「大学生にAI機能は必要ですか?」
この質問は、これからもっと増えていくでしょう。
だからこそ、
答えは一つでなくていい。
焦らず、流されず、
そのご家庭・その学生さんに合った選択をすること。
家電量販店の現場に立ちながら、
そんなお手伝いができればと思っています。
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