【第3回】そのType-C、本当に何ができる?

佐々木康仁

佐々木康仁

テーマ:パソコン

端子だらけの今どきPCをスッキリ整理


最近のノートパソコンを横から見てみると、
同じような細長い「USB Type-C(タイプシー)」の端子がいくつも並んでいます。

お客様からよくいただく質問があります。

「このType-Cって、結局なにができるんですか?」

形は全部同じなのに、
・充電できるもの
・データだけ
・映像が出せるもの
・高速転送対応のもの
など中身が全部違う。

今回はこの“ややこしいType-C”を、
専門用語を最小限にして 読者が自分で判断できるようにスッキリ整理 していきます。

■ Type-Cは“形”の名前。中身は全部バラバラ

まず大前提として押さえておきたいのはこれです。

USB Type-C = コネクタの形の名前
中を流れる性能や機能はパソコンごとにバラバラ。

つまり、見た目が同じでも「できること」が全然違うのです。

同じType-Cでも、

・充電できる
・できない

・データ転送が速い
・遅い

・映像を出せる
・出せない

…と、差がハッキリあります。

■ Type-Cでできることは大きく3つ

Type-Cでできることは、大きく分けて以下の3つです。

【1】充電(電源供給:USB Power Delivery)

スマホのように、パソコン本体を充電できるType-C端子。

最近のノートパソコンはType-C充電対応が増えています。

【2】データ転送(USB2.0 / USB3.x / USB4など)

USBメモリや外付けSSDなどを接続するためのデータ端子。

高速転送に対応しているものほど、
写真や動画のコピーがものすごく速くなります。

【3】映像出力(DisplayPort Alt Mode)

Type-Cから外部モニターやプロジェクターに映像を出せる機能。

見た目はUSBでも、
中身が「映像ケーブル」としても働くイメージです。

■ 一番知りたいのは「自分のパソコンのType-Cは何ができるのか?」

ここが一番のポイントです。

見た目が同じでも、パソコンによってできることが全然違う。

では、どうやって見分ければいいのでしょうか?

■ PCのType-C端子の“見分け方”

【1】端子の横のアイコンを見る

メーカーはできるだけのヒントを端子の横に書いてくれています。

稲妻マーク( ) → 充電対応(Power Delivery)

モニターマーク → 映像出力対応

Thunderboltの雷アイコン → 超高速転送+映像+充電すべて対応

これを知っているだけで、現場で迷うことが激減します。

【2】メーカー公式ページの仕様表を見る

もっと確実なのは「仕様」を確認すること。

チェックするべき項目はこの3つ。

・USB PD(充電)対応か?
・DisplayPort Alt Mode(映像)対応か?
・USBのバージョン(USB3.x / USB4 / Thunderbolt)

「USB4」「Thunderbolt」などの記載があれば、
高速転送+映像出力+充電の全部対応です。

■ ケーブルでも失敗する…これもType-Cの落とし穴

Type-Cの落とし穴はパソコンだけではありません。

→ 実はケーブルにも“できる・できない”があります。

・充電だけできるケーブル
・データが高速で転送できるケーブル
・映像出力に対応した高品質ケーブル

100円ショップのType-Cケーブルでは
「映像が出ない」「データが遅い」
というのはよくある話です。

【ケーブル購入時のチェックポイント】

・映像対応(DisplayPort Alt Mode)と書かれているか
・100W以上のPD対応か(パソコンの充電が安定します)
・USB4またはThunderbolt対応ケーブルだと間違いが少ない

■ よくある質問Q&A

Q1. スマホの充電器でパソコンを充電してもいい?

A. ワット数が足りないと充電されません。
30W充電器では不足、65W以上推奨。

Q2. Type-C 1本でモニターに接続すると充電もできますか?

A. モニター側が「USB PD給電対応」ならできます。
1本で映像+充電+USBハブになる便利機能。

Q3. 左側と右側でType-Cの機能が違うのはなぜ?

A. 内部の配線が異なるためです。
同じ形でも役割が違うことが多いです。

■ まとめ:Type-Cは「形だけ同じ」。だからこそ理解が必要

USB Type-Cは便利で統一された規格のように見えますが、
実際は“できることがパソコンごとに違う”のが一番のポイントです。

でも、今回のポイントだけ覚えておけば大丈夫です。

充電・データ・映像のどれができるかを確認
端子のアイコンを見る
仕様表で「USB PD」「DisplayPort」「USB4/Thunderbolt」をチェック
ケーブルも役割ごとの違いがある

■ 次回予告(第4回)

次回は、
「買った後すぐにやっておくべき“パソコンの初期設定”」
についてわかりやすく解説します。

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佐々木康仁
専門家

佐々木康仁(ITコンサルタント)

株式会社CNCコンサルティング

対面と非対面を組み合わせた独自のマーケティング手法、ChatGPTを活用するための基礎的な講習、小学校などでのICT教育支援を事業の柱とする。数々の職業を経験し“現場感覚”でサポートできるのが強み。

佐々木康仁プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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