第3回:OSを入れてみよう!セットアップの第一歩

佐々木康仁

佐々木康仁

テーマ:電子工作

■ 「小さなPC」を動かす準備をしよう

前回は、Raspberry Piがどんなコンピューターなのか、その仕組みや役割についてご紹介しました。
今回はいよいよ、“実際に動かす”段階に進みます。

Raspberry Piは、箱を開けただけではまだ動きません。
いわば「頭脳(ハードウェア)」は完成していますが、「心(OS)」が入っていない状態です。
そこでまず必要なのが、OS(オペレーティングシステム)をインストールする作業です。

最初にこの手順を体験したとき、思わずワクワクしました。
パーツをそろえ、つないで、電源を入れると――
モニターに Raspberry Pi が起動していく様子が映し出される。

それだけで、「おお、動いた!」とテンションが上がります。
Raspberry Pi を使って、まずは画面操作やアプリを触ってみるだけでも十分に楽しめます。
この準備の時間こそが、Raspberry Pi の世界へ踏み出す最初のワクワクした瞬間です。

■ 必要なものをそろえよう

OSを入れるために必要なものは、それほど多くありません。

・Raspberry Pi本体(ここではRaspberry Pi 5を使用)
・microSDカード(32GB以上推奨)
・電源アダプター(USB Type-C)
・HDMIケーブルとモニター
・キーボードとマウス
・インターネット接続(Wi-FiまたはLAN)

おっと、パソコンももちろん必要ですね。
(microSDカードへOSを書き込むために使用します)

私の場合は、家にある周辺機器を活用し、足りないものだけをAmazonでそろえました。
パーツがそろった瞬間、まるで“模型を組み立てる前夜”のようなワクワク感が蘇ってきます。

■ OSをmicroSDカードに書き込む

Raspberry Piは「Raspberry Pi OS」という公式OSを使うのが基本です。
このOSをmicroSDカードに書き込むことで、Raspberry Piが起動できるようになります。

ここで使うのが「Raspberry Pi Imager」という公式ツール。
以下の手順で進めます。

1.Raspberry Pi公式サイトから「Raspberry Pi Imager」をダウンロード
2.パソコンでmicroSDカードを接続
3.Imagerを起動し、「Raspberry Pi OS(64-bit)」を選択
4.microSDカードを指定し、「書き込み(WRITE)」をクリック

数分待つと、カードにOSが書き込まれます

操作自体は簡単ですが、「自分の手でOSを入れた」という実感は格別です。
この感覚こそ、Raspberry Piが多くの人を惹きつける理由のひとつです。

■ はじめての起動 ― その瞬間の感動

いよいよRaspberry PiにmicroSDカードを差し込み、モニターとキーボードを接続。
電源ケーブルを挿した瞬間、画面に「Raspberry Pi」のロゴが現れます。

最初に起動画面が出た瞬間、思わず声が出ました。
「おっ、出た出た!成功したぁ!」と、自分の手で組み立てたものが動き出すその瞬間はいつだって格別です。
数分後にはデスクトップ画面が表示され、インターネット接続や日本語設定などを行えば準備完了。
この時点で、もう立派なパソコンとして使える状態になります。

■ “自分で環境を作る”という学び

普段のパソコンでは、電源を入れればすぐに使えるのが当たり前。
でもRaspberry Piは、「動くまでの過程を自分で作る」という点が最大の特徴です。

このプロセスの中で、自然と仕組みを理解しようとする姿勢が育ちます。
「なぜここに電源をつなぐのか」「このカードには何が入っているのか」――
そうした“問い”が生まれること自体が、学びの出発点です。

教育の現場でも、こうした“構築体験”は非常に価値があります。
動作の結果だけを見るのではなく、そこに至る“プロセス”を経験する。
この違いが、思考力と応用力を養ってくれるのです。

ちなみに、Raspberry Pi OS には最初から Python 3 がインストールされています。

セットアップが完了したら、特別な設定をしなくても、すぐに Python プログラミングを始められます。

■ 次回予告

次回は、いよいよ電子工作の基本――「LEDを光らせる」に挑戦します。
初めてGPIOピンを使い、自分の書いたプログラムで“光を制御する”体験をしてみましょう。
それが、Raspberry Piで学ぶ「ものづくりの第一歩」です。

このコラムは、教育現場での実践経験をもとに執筆しています。
Raspberry Piは私自身の趣味でもあり、「作ることが学びになる」その面白さを多くの方に伝えたいと思っています。

このコラムは、連載「Raspberry Piで広がる電子工作の世界」シリーズの一部です。
これまでの回や今後の更新予定は、こちらのまとめページでご覧いただけます。
Raspberry Piで広がる電子工作の世界|連載まとめ
趣味としての電子工作から、教育や実践に活かせるヒントまで、“作ること”の楽しさをこれからもお届けします。

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佐々木康仁
専門家

佐々木康仁(ITコンサルタント)

株式会社CNCコンサルティング

対面と非対面を組み合わせた独自のマーケティング手法、ChatGPTを活用するための基礎的な講習、小学校などでのICT教育支援を事業の柱とする。数々の職業を経験し“現場感覚”でサポートできるのが強み。

佐々木康仁プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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