第6回 ICT支援員という仕事 ― 教育現場を支える専門職

佐々木康仁

佐々木康仁

テーマ:教育・ICT教育

近年、学校におけるICT環境の整備や活用が急速に進んでいます。そのなかで忘れてはならない存在があります。それが「ICT支援員」です。機器を整えるだけではなく、先生方が安心してICTを授業や日常業務に組み込めるよう後方支援をする“縁の下の力持ち”です。

■ ICT支援員とは何か、なにをするのか

ICT支援員は、授業中・授業前・校務・研修など様々な場面で、ICTを活用する取り組みを“支える”役割です。教員の指導を直接代替するのではなく、「ICT機器・ソフトの設定・操作サポート」「教材作成へのアドバイス」「トラブル時の対応」「教員研修の支援」など、幅広く関わります。

児童・生徒に直接指導を行うこともありますが、主な任務は教職員がICTを活用して授業を行いやすくすること。ある意味で「ICTに詳しい伴走者」として機能します。

■ なぜ、配置が進められているのか

文部科学省が公表している最新の配置状況によると、令和5年度末で全国に約7,172人のICT支援員が配置されており、およそ 4〜5校に1人 の割合で支援員が存在しています。

ICTを活用した教育環境が整備されても、「機器のトラブル」「使いこなしに自信がない」「操作方法がわからない」といった教職員の不安・負担が残っていて、それを軽減するためです。

また、ICT支援員を配置することで、教員が授業設計・児童に向き合う時間を確保しやすくなり、教育の質を高めることにもつながります。

■ 現場での具体的な動き・工夫


授業前に機器が正常に動くか確認したり、操作説明を行ったりしています。

授業中に操作の補助やトラブル対応をすることで、教員は授業そのものに集中できます。

教員研修や校内研修で、ICTの活用方法や最新機器・ソフトの紹介をおこなうケースも多くなっています。

また、「その学校・地域に応じたICT活用の在り方」を提案・共有しながら、環境整備や運用ルールづくりにも関わります。

■ 求められるスキル・姿勢

ICT支援員には単に“機械に詳しい”だけではなく、「教員や児童生徒とのコミュニケーション能力」が非常に重要です。さまざまなレベル・経験の教員と協働していくため、分かりやすく伝える力が求められています。

また、ICT機器の構成やソフト、ネットワーク、セキュリティや情報モラルなど、さまざまな知識・情報をアップデートし続ける必要があります。

■ おわりに

ICT支援員は、ICT教育をよりスムーズに、効果的に進めるための縁の下の支援者です。先生方や学校の状況に応じて助言・調整しながら、「学びの質を高める」役割を担っています。

次回、第7回は「家庭と学校をつなぐデジタル活用 ― 保護者との連携・家庭学習」についてお話しします。

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佐々木康仁
専門家

佐々木康仁(ITコンサルタント)

株式会社CNCコンサルティング

対面と非対面を組み合わせた独自のマーケティング手法、ChatGPTを活用するための基礎的な講習、小学校などでのICT教育支援を事業の柱とする。数々の職業を経験し“現場感覚”でサポートできるのが強み。

佐々木康仁プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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