第3回:OSを入れてみよう!セットアップの第一歩
■ はじまりは“ポチッ”とした瞬間から
アマゾンのサイトを眺めていて、以前から気になっていたものがありました。
「Raspberry Pi?(ラズベリーパイ?)」
名前だけはどこかで聞いたことがある。でも、正直なところ何なのかもよくわからない。
気がつくと、指が勝手に“ポチッ”と購入ボタンを押していました。
数日後、届いた小さな箱。開けてみると基板のようなものが出てきます。
「さて、どうしたものか……。」
ネットで調べてみると、「SBC(シングルボードコンピュータ)」とのこと。つまり、一枚の基板の上にCPUやメモリなどが全部詰まった“小さなパソコン”らしい。
「なるほど、これもコンピューターか。」
そう思いながらも、使い方がわからないので本屋で『Raspberry Pi入門』の書籍を購入。
ページをめくりながら必要なものをメモしました。モニター、キーボード、マウスは手元にある。
あとは電源アダプターとmicroSDカードを用意すれば、どうやら動かせるらしい。
パーツを少しずつ揃えながら、心の中に懐かしい感覚が蘇ってきました。
“あの頃のワクワク感”です。
学生時代、はじめてラジオを自作したときのような、あの高揚。
■ 手のひらサイズの「小さなPC」を組み立てる
Raspberry Pi 5は、これまでのモデルから大きく進化した最新モデルです。
処理速度が上がり、冷却ファンも強化され、専用ケース「Pironman 5」と組み合わせると、まるでミニチュアPCのような存在感になります。
私はこのケースを組み立てながら、時間を忘れていました。
小さなネジをひとつひとつ締め、基板を固定し、配線を接続する。
電源を入れた瞬間、透明なケースの中でLEDが光り、ファンが静かに回り始めます。
その瞬間、「動いた!よっしゃぁ」と心の中でガッツポーズ。
この“動いた喜び”こそ、電子工作の醍醐味です。
■ 教える立場から“もう一度、作る立場”へ
私はふだん、ICT支援員として学校の授業支援や、企業向けに生成AI活用やDX導入支援を行っています。
つまり「デジタルを教える側」ですが、このRaspberry Piを触って改めて感じました。
——教える前に、まず自分が楽しむことが大切。
Raspberry Piを組み立てると、自然と「これはどう動いてるんだろう?」という好奇心が湧いてきます。
ボードの中の構造を知り、ケーブル1本の意味を理解すると、単なる“機械”が“学びの素材”に変わります。
この体験は、タブレット操作やアプリ学習では得られない“作る感覚”です。
■ これから始まる10回の旅
このコラムでは、Raspberry Piをまったく触ったことがない方でも楽しめるように、
基礎から実践までを10回に分けて紹介していきます。
第2回:Raspberry Piって何? ― 小さなPCの仕組み
第3回:OSを入れてみよう!セットアップの第一歩
第4回:LEDを光らせる ― 電子工作の基本
第5回:センサーで世界を感じる
第6回:モーターを動かしてみよう
第7回:カメラを使って撮影してみよう
第8回:IoTを体験しよう ― 家電をネットで操作
第9回:Raspberry Pi × AI ― 未来のものづくり
第10回:電子工作がつなぐ教育と創造の未来
Raspberry Piは、子どもたちにも大人にも、そして教育にも大きな可能性を持つ“学びのツール”です。
この連載を通して、「つくることの楽しさ」「考えることの面白さ」を一緒に味わっていただけたら嬉しいです。
このコラムは、連載「Raspberry Piで広がる電子工作の世界」シリーズの一部です。
これまでの回や今後の更新予定は、こちらのまとめページでご覧いただけます。
Raspberry Piで広がる電子工作の世界|連載まとめ
趣味としての電子工作から、教育や実践に活かせるヒントまで、“作ること”の楽しさをこれからもお届けします。
■ すべてのコラムはこちら
https://mbp-japan.com/fukuoka/cncconsultingpro/service1/



