第6回:写真・動画・音楽・PDFなどメディアの扱い方と軽い編集
パソコンを毎日使っていると、気づけば「ファイルがどこにあるのかわからない」「同じファイルがいくつもあってどれが最新版かわからない」「開くまで内容を確認しないとわからない」という状態に陥ることがあります。
この状態は時間のロスだけでなく、仕事や趣味での成果にも影響します。
今回は「探す時間を減らし、間違いを防ぎ、スムーズに作業できるフォルダとファイルの整理の仕組み」を作るコツを解説します。
1. フォルダ構成の基本設計 — 階層構造を決める
1-1 なぜ「整理された階層構造」が必要か
バラバラのフォルダに散らばって保存すると、目的のファイルを探す時間が無駄にかかります。文書・写真・動画・音楽・仕事資料など、用途やジャンルで「まとまり」を作ることが効果的。
最近の調査でも、「データが分散していると探しにくい」「重複データが増える」ことが非効率の原因になると指摘されています。
フォルダ構造は多階層にしすぎず、常用フォルダ→サブフォルダ→必要最低限の深さ、という形で整理するのがよいでしょう。
1-2 フォルダ設計のヒント
メインフォルダをまず決める(例:Documents、Pictures、Projects、Work、Personal など)。
サブフォルダを用途別・年度別・プロジェクト別などで分ける(例:「Work → 2025_ProjectA」「Photos → Travel2025」「家計簿」など)。
フォルダ階層を深くしすぎない(例、3〜4階層程度までが扱いやすい)。
フォルダ名は内容がわかるものにし、なるべく日付・プロジェクト名・種類などの要素を含める習慣を持つ。
2. ファイルの名前付け(ネーミング)ルールを作る
2-1 ファイル名は“中身が何かがわかる”ように
ファイル名だけ見て、何の内容かおおよそわかるようにしておくと、あとで探しやすくなります。例えば、「20251008_家計簿_Oct2025.xlsx」など。
長すぎるファイル名やスペース・特殊記号(/, , ?, *, | など)を使うとトラブルになる可能性があるため、避けるほうが安全。
2-2 バージョン管理(ファイルの更新履歴を見分ける)方法
「どれが最新版か分からない」問題を避けるために、ファイル名に バージョン番号や更新日 を含める方法が有効です(例:v1, v2, v1_1 / 20251008 など)。
小さな変更なら「v1_1」「v1_2」など、主要な更新なら「v2」などと番号を上げていくルールを決めておくとよい。
特に複数人で共有して使う場合は、「ファイル名+変更日+バージョン+制作者イニシャル」などを含めると誰がいつ変更したか分かりやすい。
3. ファイルとフォルダの整理・運用のコツ
3-1 定期的な整理・断捨離
古いファイルや不要なコピーは削除または別保存場所(アーカイブ)に移すことで、「ごみ化」を防ぐ。
同じ名前で大量に保存するよりも「最新版だけを残す」「使用頻度に応じて移動/削除する」習慣をつける。
3-2 クラウドとローカルの使い分け
常用ファイル(よく使うもの)はローカル(パソコン本体)に置きつつ、バックアップや複数端末間で使いたいものはクラウド(例:OneDrive, Google Drive, Dropbox 等)と同期を使う。
クラウド同期は自動化できるので、「保存忘れ」の事故を減らせる。ただし設定をよく確認して、どのフォルダを同期するか・容量制限・プライバシー設定を管理しておく。
4. 実践チェックリスト
メイン用途別フォルダ(Documents/Pictures/仕事用など)を決めた
サブフォルダ構成を階層で考え、必要以上に深くなりすぎていないか確認した
ファイル命名ルールを自分用に定めた(例:日付_内容_バージョン)
バージョン管理のルール(v1, v1_1, v2 等)を決めておく
定期的に使っていないファイルを整理・移動・削除する日を決めた(例、月1回など)
クラウド同期を使う場合、同期フォルダと容量を決めておいた
5. まとめ:整理は「快適さ」と「時間の節約」の鍵
整理されたフォルダと分かりやすいファイル名は、探す時間を大幅に減らす。
バージョン管理をきちんとすれば「どのファイルが最新版か?」「どれが使っていいか?」の迷いが減る。
継続して使えるルール(命名/フォルダ構成/削除タイミングなど)を一度決めておき、それを守る方が後でラク。
整理された環境は、他のテーマ(メンテナンス/セキュリティ/バックアップなど)でも相乗効果を発揮する。
次回予告(第4回へ)
次回は 「快適操作!キーボード/ショートカット/入力効率を上げる方法」 をお届けします。
タイピング効率を上げるコツ、よく使うショートカット一覧、定型文登録やテキスト入力支援の活用法など、「入力」でのストレスを減らす内容です。
パソコン活用シリーズ(全10回)
このコラムは、連載「パソコン活用シリーズ」の一部です。
これまでの回や今後の更新予定は、こちらのまとめページからご覧いただけます。
[パソコン活用シリーズ まとめ(更新中)]
パソコンを“使う”から“使いこなす”へ。
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