自分で作ることの楽しさと思い出

私たちは今、「変化の時代」の只中にいます。AI、データ、IoT、SDGs、グローバル化──子どもたちが将来向き合う社会には、既存の学び方だけでは対応しきれない新たな要件が数多く存在します。ICT教育は、その「新たな社会との接続点」として、子どもたち自身が“未来をつくる主体”になるための力を育てる手段です。
■ 未来を生きる子どもたちに必要な力
情報を掴み、吟味し、使いこなす力
SNSや検索サービス、生成AIなどから得られる情報は膨大です。だれでも発信できる時代だからこそ、情報の真偽を見極め、安全・適切に使いこなす力が不可欠です。これは情報モラルを含む「情報活用能力」の育成につながります。
自ら課題を見つけ出し、協働しながら解決へ向かう探究的な姿勢
社会的な課題(環境、福祉、防災、地域資源活用など)は、複数の側面(科学・技術・芸術・社会・数学など)が絡み合っています。教科横断・STEAM的な取り組みを通して、「学び」を社会と結びつけ、実際の課題解決に生かす体験を積むことが、子どもたちの「生きる力」を磨く鍵です。
創造性と表現力の発揮
ICTは、単なる情報処理ツールではなく、表現やコミュニケーションの手段でもあります。プレゼンテーション・動画・画像・デザイン・プロトタイプ制作などで「自分の考えを形にする」経験を重ねることで、「伝える力」「創る力」を育てられます。
■ 教育現場での意識・環境づくり
「一人1台端末」は既に整備されつつあり、これはスタートラインです。これらを「使える環境」として当たり前に使っていけるかどうかが、子どもたちの学びの広がりを決めます。
教員・支援者の指導力の向上も同時に進める必要があります。ICTを授業でどう活かすか、どうやって振り返り・改善をするかなど、教員自身が学び続ける姿勢が鍵です。
学校だけでなく家庭・地域・企業・行政が連携して学びを支えること。学びは教室を超えて広がっていきます。子どもたちが自信を持って未来を描けるように、社会全体で支える視点が大切です。
■ おわりに
連載を通してお伝えしてきたように、ICT教育は目的そのものではなく、「学び方・生き方を変える手段」です。子どもたちはデジタル社会に単に“適応する”のではなく、“創り手”として関わっていくことが求められています。
このコラムシリーズが、読者の皆さん(先生・支援者・保護者・子どもたち・地域関係者など)にとって、ICT活用・学び方・子どもたちの未来への接点を考えるヒントになれば嬉しいです。
将来を創る一人ひとりが、自ら問いを立て、調べ、表現し、協働しながら改善を重ねていく――そのプロセスを支える土壌として、ICTはますます重要になっていきます。
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