小学校卒業までに取得すべきスキルとその方法
「学校でICTを使うのはいいけれど、家で子どもがどう使っているか不安…」という保護者の声をよく聞きます。ICT活用が効果を発揮するためには、家庭と学校の連携が欠かせません。特に端末を持ち帰る学習やオンラインでのやり取りが日常化した今、家庭側の理解と協力はますます重要になっています。
■ なぜ保護者と協働することが大切か
ICTの導入が進んで、児童・生徒の学習スタイルが変わってきていますが、家庭での使い方や習慣が整っていないと、学習効果が十分に出にくいものになります。たとえば、使用時間や使い方のルールが明確でないと、端末がゲームや動画視聴に偏るなどの懸念があります。
保護者が学校でのICT活用や学習のねらい・目的を理解していれば、家庭でも子どもの学びの様子を支援したりサポートしたりしやすくなります。学校と家庭で同じ方向性・価値観を共有することで、子どもが安心して使える環境が整います。
メール・アプリ・連絡帳・専用連絡ツールなどを活用すると、学校からの情報発信や保護者からの確認・質問もスムーズになるため、コミュニケーションの質が高まります。
■ 実践のポイント:家庭と連携するためにできること
・保護者向け説明会・体験会の実施
新学年・タブレット導入時・授業参観時などに、保護者を対象に端末やアプリの使い方、学習での活用事例、ルールの考え方を共有する場を設けることで、不安を軽減し理解を深めることができます。
・家庭でのルールづくりを児童・生徒と一緒に話し合う
たとえば、「使う時間帯」「使い方(学習用途・調べもの・表現など)」「健康面(目・姿勢・休憩など)」などについて、学校で指導した内容を家庭でも共有し、家族でルールを作っておく。文部科学省も「児童生徒がICT端末を使う際には、学校と家庭が協働して健康への配慮や約束事を共有することの重要性」を示しています。
・定期的な情報の共有(学習の振り返り・授業の様子・作品)
子どもが端末で作成したもの、発表したもの、調べ学習の成果などを家庭に見せる機会を設けることで、家でも「どのように学んでいるか」を保護者が把握しやすくなります。映像・写真・スライド・共有フォルダ・クラウドなどをうまく活用する学校も増えています。
・保護者の不安への配慮と声かけ
過度な使用時間、ゲームや動画視聴への偏り、操作トラブルや情報モラル・セキュリティの不安感などに対して、学校側が「どう対応しているか」「どのように見守るか」の姿勢を示すこと。保護者からの意見や不安点を聞き、改善につなげる姿勢も信頼を築くうえで必要です。
■ おわりに
ICTは、子どもたちの学びを広げる強力な道具ですが、「使える環境(学校・家庭・保護者との協働)」がそろって初めて、真価を発揮します。学校と家庭が連携を深め、「どういう目的でICTを使い、どういう力を育てたいのか」を共有できれば、子どもたちのICT利用はより安心で実りあるものになります。
次回(第8回)は「地域とともに進めるICT教育 ― 行政・企業・地域との連携事例」にフォーカスします。
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