第7回 AI導入で失敗しないための考え方

佐々木康仁

佐々木康仁

テーマ:生成AI

― 成功企業が実践する「AIとの正しいつき合い方」 ―


最近、「ChatGPTを導入したけど、思ったほど成果が出なかった」という声を耳にします。
AIは魔法のツールではありません。
導入の仕方を間違えると、せっかくのチャンスを活かせず、“使いこなせないまま”終わってしまうこともあります。
今回は、AI導入で失敗しないための考え方をお伝えします。

【1】AIに“丸投げ”してはいけない

一番多い失敗は、「AIが全部やってくれるだろう」という思い込みです。
ChatGPTはあくまで“アシスタント”。
方向性を決めるのは、あくまでも人間側の仕事です。

たとえば「SNSの投稿を作って」と言うだけでは、AIは無難な文章しか作れません。
「誰に」「どんな目的で」「どんな印象を与えたいか」を伝えることで、
初めて成果につながる内容になります。

AI導入の第一歩は、ツールを覚えることではなく、
「AIにどう考えてもらうか」を設計することです。

【2】目的があいまいなまま導入しない

もう一つの落とし穴は、「とりあえず使ってみよう」で始めること。
AI活用には必ず“目的”が必要です。

CNCコンサルティングでは、導入前に必ず次の3つを明確にしています。

・目的(何を改善したいのか)
・対象(誰が、どの業務で使うのか)
・成果指標(どんな状態になれば成功か)

この「3点セット」が決まっていないままAIを使うと、
現場では「結局どう活かすの?」という混乱が生まれてしまいます。

【3】CNCコンサルティングのAI導入3ステップ

実際にCNCコンサルティングでは、クライアント企業に対して次のような手順でAI導入を支援しています。

ステップ1:現場の課題を“見える化”する
→ 「時間がかかっている業務」や「ミスが多い作業」を洗い出します。

ステップ2:ChatGPTでできる部分を切り出す
→ 文章作成・会議要約・顧客対応文など、“AIに任せても良い部分”を明確に。

ステップ3:実践→改善→定着
→ 1〜2週間試して改善点を話し合い、現場の“当たり前のツール”にしていきます。

こうすることで、単なるツール導入ではなく、「人×AIで仕事を変える」プロセスが根付きます。

【4】AIは人を置き換えない。人を強くする。

AI導入で一番大切なのは、“AIに任せる”のではなく“AIと協力する”という姿勢です。
ChatGPTは、あなたの代わりに考える存在ではなく、
あなたの考えを磨くパートナーです。

AIが得意なのは「情報整理」や「言語化」。
そして、人間が得意なのは「判断」や「想い」。
この2つが合わさった時、仕事の質とスピードが大きく変わります。

AIを導入してもうまくいかないと感じたら、
それは“AIの問題”ではなく、“人とAIの距離”の問題かもしれません。
AIを使う目的を明確にし、役割を正しく理解すれば、
どんな業種でも成果を出すことができます。

次回は、いよいよ「チームでChatGPTを使う方法」。
個人のスキルから組織の力へ――AIを“チームメイト”に変える方法を紹介します。

次回予告:

第8回「チームで活かすChatGPT
社内共有・議事録・マニュアルなど、チーム全体でAIを使いこなす実践法を紹介します。

このコラムは、連載「ChatGPTで仕事が変わる!」シリーズ

これまでの回や今後の更新予定は、こちらのまとめページでご覧いただけます。
ChatGPTで仕事が変わる!連載まとめ(更新中)
生成AIを“ツール”ではなく“パートナー”として活かすヒントを、今後もお届けします。

このコラムの内容は、著書

生成AIは必須スキル!今、ChatGPTを学ばないとどうなる?
(著:佐々木 康仁/出版社:CNCコンサルティング出版)をもとにしています。

生成AIを「ただの便利ツール」ではなく、
仕事・学び・暮らしのすべてを支える“新しい教養”として活用するための一冊です。

ChatGPTを中心に、文章作成・企画・教育・経営など、
現場で“今すぐ使える”AI活用法を実例とともに紹介しています。

生成AIをこれから学びたい方

仕事の効率化や発想の幅を広げたい方

教育や人材育成にAIを取り入れたい方

そんな方々に向けた「未来を変える第一歩」の本です。
Amazon/Kindleにて好評発売中。ぜひお手に取ってみてください。

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

佐々木康仁プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

佐々木康仁
専門家

佐々木康仁(ITコンサルタント)

株式会社CNCコンサルティング

対面と非対面を組み合わせた独自のマーケティング手法、ChatGPTを活用するための基礎的な講習、小学校などでのICT教育支援を事業の柱とする。数々の職業を経験し“現場感覚”でサポートできるのが強み。

佐々木康仁プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

マーケティング、生成AI、ICT教育のコンサルを手掛けるプロ

佐々木康仁プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼